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2017年1月 1日 (日)

悲しくて、悲しくて、阿部先輩逝く。

2017年新しい年を迎えました。しかし、とても新春を寿ぐそんな気分にはなれません。

2016年12月30日午前0時過ぎ,阿部先輩が旅立たれました。享年81歳でした。

クラブ設立直後から運営の中心となり長く代表を務められた阿部先輩。私達が入会した頃が一番大変だったと思います。イケイケで命知らずの若者が多く集まっていたあの頃、それを御しながらクラブ雲峰の舵取り、運営に尽力されていました。

トっちゃんが思い出を語る。

「俺は怒られてばっかりやった、段取りが悪い、珈琲の入れ方が下手や、こればっかりや!」

私は要領が良かったのか、山で怒られた記憶は無い、ただ無節操な私生活を送っている事をかなり厳しく叱責された。あのギョロ目で睨まれると流石の私も黙って頭を下げるしかなかった。

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昭和11年生まれ、ガッチリとした大きな体、その鋭い眼差しは終生変わる事はなかった。繊細かつ大胆、親分肌で面倒見の良い頼れる兄貴でしたね。

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特にこの連中は毎夜のようにお宅に押しかけて美恵子夫人にはご迷惑を掛け続けました。お二人とも嫌な顔を全く見せず、暖かく優しく迎えて頂いた。阿部宅をサロンとして育った雲峰クライマーは多い。

トモちゃん、ユウゾウ君のお子さん達(当時はですけど)も懐いてくれて、今も家族同様の付き合いが続いている。

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12月31日大晦日、葬儀告別式がしめやかに行われました。

棺には多くの懐かしい仲間との思い出深い写真やクラブ雲峰創立50周年記念誌が納められました。祭壇には新生クラブ雲峰を象徴するTシャツが飾られています。

阿部先輩、貴男が守り育てたクラブ雲峰は我々がシッカリと引き継ぎ、そして次世代にバトンを渡しました。我々は先輩方の創立の主旨、50年の重き伝統を守ります。今、クラブ雲峰には多くの新しい仲間が参加してくれています。雲峰イズムを決して忘れず受け継いで行きます。どうかご安心下さい。

本当に長い間、有難う御座いました、そしてお疲れ様でした。

最後のお別れの時、泣けて泣けて涙がとめどなく流れてどうしようもなかった。

弔文で桑田先輩が

「あちらへ行ったら先に逝かれた先輩方と第2のクラブ雲峰を創って待っていて下さい」

その時は私も入会させて下さい。

何度も歩いた住吉川沿いの甲南斎場で阿部先輩は煙となって浄土へと登って行きました。

美恵子夫人が言った、

「お父さんはやりたい事が全て出来た幸せな一生でしたよ」

夫を支え続け見送った妻としての自負と阿部先輩への消えぬ愛が感じ取れた。

(以前のブログより)

我家の壁には数枚の山岳写真が掛かっています。

阿部信一大先輩の作品です。阿部先輩は山岳写真家として知る人ぞ知るカメラマンなんです。

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これは甲斐駒ヶ岳で撮られた一枚で「カメラ毎日」の巻頭に掲載されました。(1975年頃だと思います) 

作品名は「山男」モデルは若き日の私です。鼻水や涙も凍って冬山の厳しさが表れていると評価されたんです。

 阿部先輩の作品ではクラブ雲峰の当時の若手がモデルを務めました。(パネルにしてもらった人は私の外にも居るよね)

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これも入賞を果たした大作で厳冬期の富士山で撮られたものです。吹き荒ぶ強風で出来た風紋を前景とし人物を配して冬富士の厳しさ、空間の広がり、雪と岩と空のコントラスト、見る者を引き込むスケールの大きな作品です。

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阿部作品の多くは山岳写真イコール風景写真とは異なる一種独特な阿部ワールドなのです。画面上には人物を必ず配しており大自然と対峙するアルピニストの緊張感とスケールを白黒画面の中で表現しているのです。

阿部先輩からは、

「写真も山も一緒やで、一歩前へ!」 

よく言われました。

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これは同じ日、屏風尾根を登る私、高ちゃん、オカチン、コッチャン、マアちゃんです。(シャッターが凍り付いたのに不思議と写っていた奇跡の一枚)

冬富士の作品はこんな過酷な状況下でシャッターを切っておられます。気温は-20度以下、吹き飛ばされそうな烈風の中、愛用機のニコンFを構え風雪に耐えてシャッターチャンスを待っている姿を思い出します。何十本も持参するフィルムは全てトライエックス(高感度フィルム)でした。(風景写真には粒子の細かいFを使う人が多かったのですが、敢えて粒子の荒い高感度フィルムを多用しておられた)

阿部先輩は山岳写真界では最高峰とも云える「白簱史朗賞」も受賞されています。

「凄い先輩がクラブ雲峰には居るんですよ!」

俺達の自慢だった。

どうかクラブ雲峰に阿部信一と云う凄い大先輩が居たことを忘れないで欲しい。

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