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2016年8月

2016年8月15日 (月)

招かざる深夜の訪問者(龍王岳)

今夏の山行は剣岳となっていました。第一陣はナオヒデ君、トっちゃん、シバちゃんがチンネ左稜線を登り、第二陣はマアちゃん、ケンちゃん、ナオミちゃんで源次郎Ⅰ峰成城大ルートを登っています。そして私達の出番、私、高チャン、市っちゃん、吉っしゃんで6峰AかCを登り八ツ峰上半部を縦走する計画でした。

出発を一週間後に控えた水曜日の夜、登山研修所でF君から思わぬ話を耳にした。

「Kさん、来週、剣に入ると聞いてますけど、剣沢も長次郎谷も雪渓がズタズタで無茶苦茶に悪いですよ」

F君達の仲間も途中で時間切れ撤退や計画自体を断念して戻ったと云う。

第一陣のナオヒデ君達からも雪渓やガレの状況を聞いていてアプローチに苦労するとは考えていました。

最新情報はケンちゃんから入りました。大きく開いたクレバス、雪渓の崩壊や落石の音が谷に絶えず響いていて気持ち悪かったそうだ。

また富山県警山岳救助隊の情報では剣沢から真砂への登山道も確保されていないそんな状況が続いているとの事だ。日程的な面や重装備での行動を考えると今計画自体の見直しを迫られるなとの話になった。

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そして転進先として決まったのが立山連峰にある龍王岳(2872m)です。

この山は2014年6月に前ちゃん、楠兄も登っていますし、吉ッシャンのデビュー戦として、またアルパインクライミングの基礎練習にもピッタリの山だろうとの結論です。

龍王岳の南面側偵察も計画に入れています。問題は担ぎ上げる水の量でした。残雪も消え、湧水も期待出来ないとの判断から総量21リットルを背負いました。

重荷に喘ぎ、一ノ越の雑踏に混じり、東尾根末端に到着してみると、何と!そこには雪渓が残り、池まで出来ているではないか!

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龍王岳の南面です。右が東尾根、左は鬼岳との鞍部方向となります。今回、この南面に向うクライマーの姿も見かけました。

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龍王岳南面は鬼岳にかけて広大なガレ場が広がっています。真新しい落石もあり崩壊が続いているのが解ります。

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高チャンが唸ってます。

「こんなのが落ちて来るんやでぇ、ほら、ほら、あそこ見てみ、オニギリみたいな奴がチョコンと乗ってるわ、あれも落ちるで」

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龍王岳東尾根の登攀開始です。

「Kちゃん、トップ任すわ。楽しめそうなライン取りしてな」

トっちゃんが居たら絶対にトップを譲ってくれませんが、今日のメンバーは心優しい方々ばかり、遠慮なくロープを貰い飛び出して行きました。

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私、高チャン、吉っしゃん、市っちゃんのオーダーで登っています。この龍王岳にはスタカット、コンテとアルパインクライミングの基礎を学ぶには持って来いのフィールドが広がっています。

ルートは取り様でやさしくも難しく?もなります。身震いするような緊張感が続くクライミングではなく、余裕で楽しんで登れる、そんな山です。

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ピッチ上げてガンガン飛ばすので息が上がります。残置ピンはありません。適当なクラックを選び、カムとナッツをセットして高度を上げています。左の南面側はスッパリと切れていて、そこそこ高度感が出て気分が高揚してきます。
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調子に乗って登ってたら下から声が掛かりました。

「機嫌よう登ってるとこ悪いけど、いつまで一人楽しんでるつもり? トップを交代せーよ!」

3峰に抜ける厭らしいガレの詰まったガリーのピッチを高ちゃんにリードしてもらいました。

「積み木細工みたいな浮石ガリーを上手に石を落とさずに抜けるとは流石ですなぁ」

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上部が被って先が見えませんが、どうやらファイナルピッチらしい。

「市っちゃん、このピッチは君の出番やで」

「リードさせて貰って良いんですか!」

嬉々としてファイナルピッチを登り山頂へと向っていきます。

龍王岳では数パーティーに会いましたがやはり剣岳からの転進組でした。誰も考える事は同じなんですね。

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残念ながら剣岳の山頂に吉っしゃんを立たせることは今年は叶いませんでした。

「吉っしゃん、もう一本登ろか?北面もエエでぇ」

「有難う御座います、私はもうお腹一杯で満足してます」

いたって少食な吉っしゃんでした。

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今山行はテント無し、ツェルト2張りで過ごしています。設営してみると2人用が1張りと、どう見ても市っちゃんのは1人用です。

市ッちゃんが、

 「変やなぁ、このモンベル2人用やのに、吉っしゃん、どうします?僕は寝られるけどね」

「市っちゃん、計画的やなぁ~、それとも吉っしゃんを鍛える親心か?」

 可哀想に吉っしゃんだけがフライをタープにして寝る事になったのです。

 日差しが強烈なのでタープを張ってます。その下で昼間っから一ノ越で仕入れたビールを飲んで寝入ってしまいました。

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こちらの方は暑さを避けてシュルンドに潜って爆睡でした。

「寒い位に冷房が効いてる。天然クーラーや」

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南面側からの帰路で真新しい熊の糞を発見しました。

 「この周辺は熊の生息域なんや、今夜あたりヒョッとしたら来よるかもな」

この危惧が現実の物となったのはその日の夜半過ぎの事でした。

明日に備えて早めにツェルトを被りました。市っちゃんは一人用に入り、吉っしゃんはタープでした。

フッと獣の匂いを感じました。高ちゃんも感じたそうです。

「この匂いは熊や!」

熊がツェルト越しに真横を通過したのに市っちゃんは気が付きません。

そして熊は吉っしゃんのタープを覗いて唸り声と息を吹き掛けたそうです。

「わぁ~、熊やぁ!」

吉っしゃんも驚いたやろけど熊もビックリしたんでしょう、ドタドタと大きな足音を残してガレ場方向に逃げて行きました。それにしてもタープを覗いた熊、飛び起きた吉っしゃん、出合頭が一番危険な状況なんですが、大事に至らず無事で終わったから笑い話なんですが、正に危機一髪でした。やれやれホッとしました。

熊恐怖症?に陥った吉っしゃん、翌日は高ちゃんと私の真ん中に挟まれて安堵の寝息を立てておりました。

一ノ越山荘方向では熊除けと思われる爆竹が何発も鳴っていたので小屋周辺にも出没しているようです。

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こんな訪問者は可愛いから良いよね。でもこのオコジョって奴はこれで中々に獰猛で雷鳥も捕食するんです。イタチ科やもんね。

果たして当初の計画通りに剣にしていた方が良かったのか、龍王に変更したのが良かったのかは解りません。とにかく、これでクラブ雲峰の剣岳2016は終了となりました。本当にお疲れ様でした。

近々、打ち上げのBBQ大会をしましょうや。

2016年8月 2日 (火)

ケンイチシゴキ道場で鍛えられる吉っしゃん

早いものでもう7月も終わりです。7月31日(日)は百丈岩で来週の10日から剣岳に向う吉っしゃんを特訓するとケンちゃんの案内がありました。

とにかく半端ない暑さのこの頃ですから、丸一日を百丈岩でのトレーニングに充てる事は自殺行為に等しい。早朝から登って午前中でクライミングを終えるとの予定だ。

現地に08:00頃に集合と決まりました。05:00に起床し、あわただしく準備と朝食を摂り家を飛び出した。

吉っしゃん、高ちゃんと百丈Pに一番乗り、ケンちゃん、ナオミ姐さん、市っちゃんは三田の自宅からチャリを漕いでやって来ました。

遅れてマアちゃんと亮さんもやって来て、賑やかになりました。

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ケンちゃん、ナオミちゃん、吉っしゃんのパーティーと私、高チャン、市っちゃんの2組に分かれてクライミング開始です。

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指をさして注意点を指摘するナオミ姐さんです。

「吉っしゃんのギヤー操作に口出したらアカンで!ウチラが間違いを指摘するんやからね」

「ハイ!爺さん組は沈黙しておきます」

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百丈岩が初めての吉っしゃん、ケンちゃんから支点構築、ビレイ、ダブルロープの操作など多くの課題が与えられて汗だくになって頑張っております。

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50m弱を一気に下降する懸垂下降は暑さで注意力が散漫にならないよう、慎重に安全を確認して行っております。

陽が高くなり岩肌は焼け付くような暑さです。本当に目玉焼が出来るそんな熱気でクライミングシューズの底を通して、

「足の裏が焼けるぅ~、ソールが溶けてしまうがな!」

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剣岳ではリーダーを務める市っちゃんも気合いが入っています。

「市っちゃん、剣では爺さんの守りを頼むでぇ~」

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高チャンがクラブにこのインカムを3台も寄贈してくれました。

早速、お言葉に甘え、百丈岩でテストしてみたのです。

50m一杯、ロープを伸ばし、交信します。大声で合図、笛を吹く、今までのコールでした。歳のせいかコールが聴こえ難いんですが、これなら本当に楽勝です。また先に茶店に下った吉ッシャンから西稜の終了点に居る我々にも電波は届いていました。

昔のトランシーバーは大きくて重くてそれでも聞こえない事がありました。

「トランシーバーやなく、これはナランシーバーやと言ってましたなぁ~」

髙木さんには感謝感謝です。

「いつもお心遣いを賜り有難う御座います。大切に有効利用させて頂きます」

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