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2016年5月

2016年5月10日 (火)

市っちゃん、目出帽で顔隠せ!(5月合宿)

2016年5月合宿は不帰岳3峰BCリッヂの登攀となっていました。八方尾根を辿りテントを設営して唐松沢を下降、不帰の各リッヂに取り付く計画でメンバー編成や事前練習も終えて準備万端怠りなしの出発でした。

今回の参加者はトっちゃん、ナオヒデ君、高ちゃん、私の4Gと市っちゃん、ミゾッチ、よっしゃんの計7名となっております。

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5月4日に神戸を出発したのですが豊科辺りから雨が降り出しました。白馬のゴンドラ乗り場パーキングで仮眠を摂りながら08:00の始発を待ちます。軒先と車に分散しての宿泊で乗り場では一番先頭でした。

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雨は早朝には上がって小康状態でしたが風が強く木々は大きく揺れ、山はゴーゴーと唸っています。上部では台風並みの強風が吹いているようです。始発の08:00になっても09:00になってもゴンドラは動く気配がありません。風も弱まりを見せず、案内放送では運転開始の時間は未定である事が繰り返し告げられています。

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乗り場前広場でMTGを開いてます。

「やっぱり、市っちゃんが来たから山神さんが怒らはったんやわ」

「そうそう、山神さんは俺達の顔を見たら晴れてエエ天気にしてくれるのに、市っちゃんは嫌われてるんやわ、山に入ったら山神さんに判らんよう目出帽で顔を隠してよ」

そう言えば、最近の市っちゃん企画は悉く天候不良となっていた。

このまま待機してもゴンドラが運行される可能性は低いし、明日の天気も午後からは崩れるようだ。この段階で不帰岳アタック計画は消え去った。

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まず山と目的を大きく転換することは決めました。どこにするか、遠見もテレキャビンは運休だろうしなぁ、そこで思いついたのが杓子岳双子尾根です。あそこは私の庭みたいなものです。猿倉まで車で入れるし、長走沢(ながしりさわ)周辺で徹底した雪上訓練をやると決めました。

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本当に雪が少ないですね。撤退下山してくるパーティーの話では双子尾根樺平まで藪漕ぎ状態だったらしい。下から見てもブッシュが出ているのが解ります。

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雪を踏み固めてブロックの切り出し作業です。

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テン場の設定や設営も登山では大切な技術です。ここ猿倉台地上部は強い風が吹き抜けているので頑丈な耐風ブロックを積む必要があります。

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正面が双子尾根と杓子尾根のジャンクションピークから派生する長走沢です。雪上訓練は雪崩の心配が無い左の双子尾根側壁で行う事にしました。

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支尾根の末端に出来たシュルンドを崩しテラスを作りました。バックアップはシッカリと根を張った灌木にセットし安全を確保した。そして今日の講師は高ちゃんが務めます。

「俺が手本を見せるからな。ほな行くで!」

斜面に飛び込んで行きました。

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滑落停止練習も考えてみれば、練習したのは何年振りでしょうか。技術は確かに身に付いてて止める自信はあるし、やったら止まります。若手は何度も何度も斜面に飛び込んでいました。

「しつこく何度も数やって身体に染み込ませんかい!」

厳しい高ちゃん講師の激が飛んでました。

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スノーバー、リング、ピッケル、バイル、枝をエックスに組んだ支点、全てを使用して強度を体験してもらいます。スノーバーにはスキーシールを張っていますがこれは非常に優れもので富山県警山岳救助隊の考案なんです。

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雪面での支点構築は使用するギヤや打ち込む角度や埋める方向、深さ、溝の切り方、踏み固め具合、ビレイの姿勢などで不安定になります。支点が衝撃で、どんな状態となるか、全ての設定をテストしています。

「コラ!そんな体勢で止められるんか!」

「落ちる方には下まで行ってもらおうと思っているんですけど」

「ウッ・・・・・・・・・」

本当に落ち役は大変です。かなり上部から滑り落ちますから滑落距離が長くなるし、その分、体に受けるショックも強烈です。

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「怖いわぁ~、止めてくれ!ってホンマに思うもん」

ビレヤーは私のヘビー級を止めれば合格ですってよ。ゴアテックスのハードシェルはアイゼンで穴が開くし、背中は雪が入ってびしょ濡れやし、高チャンの講習は年寄りには過酷やね。

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少し傾斜の強い場所を探して雪壁の登降練習です。

「よう見とけよ、しっかりと蹴り込むんや」

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「蹴りが甘い!角度が悪い!一発でビシッと決めんかい!ビシッと!」

 よっしゃん曰く、

 「そないに周りから一斉にヤイノヤイノ言われてもなぁ~」

そらそうやね、大変や。

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スタンディングアックスビレイの練習です。初めて経験するよっしゃんは緊張しきりです。コンテニュアンスのループにピッケルを打ち込んで止める練習も行なってます。ロープが音を立てて流れ、5巻のループがピッケルに絡んでいきます。

「もっと完全に体重を乗せんかい!」

ここも落ち役が大変です。傾斜の強い上部から滑落停止体勢無しで落下しますので加速がついて体には少し流しても強い衝撃が来ます。

「ヘビー級の黒ちゃんを止めたら合格にしたる」

もう堪忍してくれ!

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ご覧のように今回の山行でも雪面もまともに歩けない屁ッピり腰の爺さんなんやぞ。

「山は恐いし、引退して孫のお守りでもしようかと」

こんな人を連れて行ったら事故の元ですよ。この御方は間もなく山岳界から姿を消して行くでしょう。

それが世の為、人の為やと思いませんか。

高ちゃんが腹抱えて笑ってました。

「小芝居が上手いのう、役者やのう~」

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雪上訓練の最期は雪洞掘りです。今回の山行でも当初から予定に入れていたんです。

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積雪量が少なくて納得のいく雪洞は掘れません。他人が見たら妙な場所に雪洞が掘ってあると首を傾げるやろね。

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こんな作業をさせたら手際良く完成させるG4です。

「さぁ、よっしゃん完成したぞ!今夜はここで寝てもらうでえ」

「俺達は嫌になるほど雪洞ビバークしてるから遠慮させてもらいますわ」

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全てのカリキュラムを終えたら雪上訓練は7時間を超えておりました。そして空を見上げるとドンヨリと雲が広がり稜線はガスに覆われています。テント場に戻った頃から雨粒が落ち始め、雨足は夜半頃から強まった。テントに浸水したと騒いでましたが、帰神してチェックしたら底部は穴だらけでしたね。久し振りに雨中での撤収作業でした。

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朝から開いている温泉をミゾッチが見つけ出しました。便利な世の中です、スマホをチョンチョンと叩けば出ましたね。姫川に沿った小さな温泉でした。

源泉かけ流し、「瘡の湯(くさのゆ)」と云います。入湯料600円でした。

釣り銭を貰ってるのに、また出そうとするし、湯上りにお茶とゆで卵も出てくるし、人情味豊かな良い温泉でしたね。

こうして雪山訓練と化した5月合宿は終了となったのです。

「市ッちゃん、夏山も暑いやろけど目出帽を被ってな」







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