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2014年6月18日 (水)

新人強化トレーニング(龍王岳東面)

Fitp6160027                    薬師岳から裏銀そして遠く槍穂が見える。

クラブ雲峰入会後、トレーニングに励む楠兄とヨシミ君にご褒美を上げなければなりません。

「そろそろ本ちゃんクライミングの楽しさを味わってもらおか!」

Mッチの時は宝剣岳中央稜が本ちゃんデビュー戦でした。

デビュー戦だ!宝剣岳中央稜←クリック

「早いもんやね2年経ったよ、つい昨日の様に思うね」

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トっちゃんと二人で候補地を考えた。そして決めたのが立山連峰の龍王岳(2872m)です。南面に切り立った壁と東面に顕著な岩稜を持つコンパクトながらクライミング要素溢れる好ルートを提供してくれるエリアです。

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多くの登山者で賑わう立山雄山(3003m)の隣りに位置しながら、龍王岳山頂を訪れる人は少ない。マイナーでもその峨峨とした峰は存在感溢れる佇まいで聳えている

「よっしゃ!龍王岳をデビュー戦の舞台に決定や!」

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6月15日(日)ケーブルとバスで室堂に入った。天気はご覧のような快晴です。

「梅雨最中とは思えん天気やね、満足、満足」

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マアちゃん&Drサトウさんのスキー組6名と出会った。

夜中過ぎに神戸を発ってやって来ました。そして今日の夕方には下山して帰神する日帰り弾丸ツアーだ。

「今シーズンは6回位は来て全部のラインは滑ったわ」

一ノ越を越える我々と別れ、マアちゃん達は山崎カールへと向って行った。

「常連の御一行様、行ってらっしゃいませぇ!」

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山荘が見える辺りから登山道を右に外し、雪面を辿って一ノ越山荘の上部に出て主稜線を越えた。

「ゴジラの背みたいや、あそこを登るんですか!凄いなぁ~」

そう言われてみれば北穂高岳東稜に似ている。通称ゴジラの背と呼ばれているメジャーなルートだ。

「そうやでぇ、君達があれを登るんや」

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この御山谷を少し下ってトラバースし龍王岳東尾根の末端に向います。

ここでトっちゃんと意見が分かれた。北東稜からダイレクトに山頂へ登ると主張するトっちゃん。東尾根下部から主稜全部を登ろうと提言する俺です。

結局はトっちゃんが折れて今日は東尾根を登ってビバーク、明日は北東面を登攀すると決まった。

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今年は残雪が多く6月の中旬を迎えてもこの積雪状況です。

今山行で履く靴は迷いました。アプローチシューズと軽アイゼンで登る予定でしたが、雪の状況から判断して無難に重登山靴と12本爪の積雪期装備にしたのです。

「ピッケル、バイルもバッチリや、完全重装備で登るでぇ!」

今回はクライミングシューズは使いません。トレッキングシューズか重登山靴での登攀です。ドタ靴での登攀訓練も行ってきました。

「君達は、この日の為に妙号岩でアルパインの練習を積んで来たんや!頑張れ!」

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とにかく龍王岳初見参なので登るルートをアレコレと目で追います。

「どうもあそこのフェースが1P目やと思うがどうや?」

「そうやなぁ、リッジと並行して登ってみよか」

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リードするトっちゃんには恐れ入ります。トップやからとザックを軽くしても10kgはある。NP主体ですからカムとギヤーもゴッソリぶら下げているのにスイスイと良いライン取りで登って行く。我々も15kgの全装備を背負ってのクライミングとなる。

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「カムが効くでぇ、ガバやけど浮石が多いから注意せーよ」

融雪期から夏にかけては岩が緩んで浮いている。

「絶対に岩を引っ張るなよ、シュワーと押さえて登れ」

堅い花崗岩でガバは多くスタンスも豊富だ。浮石に注意すれば快適なクライミングが楽しめる。

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本ちゃん初挑戦の今日を迎えた楠兄です。アドレナリン大放出中だ。

 「メッチャ快適ですわぁ、最高ですわぁ~」

連発してます。

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コンテで簡単に登る事が出来る中間部です。何処でも登れそうなのでルートファインティングの良いトレーニングになる。

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ロケーション抜群の岩稜を気分良く登っています。

コールが聞こえたので見てみると浄土山に向うマアちゃん達が手を振ってました。

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あのピークを越えた先が龍王岳山頂だ。

「富山大の観測所が同じ高さに見えてるわ」

この先、ルートと思える部分に雪が残っています。

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「トっちゃん、右から上がってるんが北東稜やなぁ、あっちへ行かれますか?」

「そうやのう、行ってみよか、覗いてみて考えるわ」

這松のガリーをトラバースします。

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なかなか楽しませてくれるライン取りです。

「君達、ホールドの扱いや足運びが荒い!もっと慎重に動かんと浮石を剥がすか落石を誘発するぞ」

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上から冬夏毛の斑模様となった雷鳥がジーッとこちらを見下ろしていました。

「ヨッシャ、ここを雷鳥フェースと命名する!」

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「そこが頂上やで、二人で先に行きなさい」

爺さん二人は下から彼らが山頂を踏むのを目を細めて眺めておりました。

「シッカリとルートを見定めて登れよ!ほら、そっちはガレが詰まって危ないやろが!落石起こすぞ」

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4時間程を費やして彼等のクライミング強化訓練ならびにデビュー戦は終わった。

「さて、これからツェルト被って寝てもらいましょか!」

本来は這松テラスでツェルトビバークしたかったのですが、安定した小さな雪田の横をBPとします。水は残雪を解かして使用します。

「あの~、雪解かしたらゴミがイッパイ浮いてますけどフィルターで濾しましょか?」

「アホ!少々のゴミ位で腹は壊さんわい!摘まんで捨てて沸かしたら問題無しや」

「ゴミは胃袋が濾してくれるわ」

ココだけの話、あの人が居たら言うよ・・・・

こうして氷点下の世界でバリバリに凍て付いたツェルトで朝を迎えてもらいました。

「暑う~、蒸れるわ、水くれ!水」

あの人が居たらこれも必ず言ったと思うよ。

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東尾根から北東稜上部も登ってしまったし、ザイルは落石で傷めたし、予定を雪上訓練に変更した。

雪上歩行、滑落停止、ダブルアックス、アックスビレイとみっちり練習します。

「大山で練習した事を思い出して、身体が覚えるまでやれよ」

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予定したトレーニングの全てを無事に終了しました。

君達はこれから本当に山と向き合って行く事となります。でも、まだその入り口に立っただけです。山が与えてくれる楽しみや、その裏返しである大きな危険や辛さを理解して下さい。

君達は見たでしょう、俺の横をバウンドしながら飛び去った巨大な落石を、ギリギリで躱したけど当たっていれば私はもうここには居なかったでしょう。

山は万人に対し平等である。イコール、平等の試練も与えます。

すべては登る側の心構え一つです。初心忘るべからず。

「自信と過信は一字違いで大違い、謙虚にね」

岩を引っ張るな!足運びは慎重に!強引な荒っぽい登り方は禁物!今回の登攀中でも耳にタコが出来る程聞かされたでしょう。

何度も言います。

「自分の身を守れなければ人様は守れんよ!」

「トレーニングしてスキルアップするのが最大の保険や!」

エロ仙人大師匠?は良い事を仰っています。心に留めておいてね。

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楠兄、ヨシミ君、本ちゃんデビューご苦労さまでした。

成長を期待しております。

 

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コメント

はい。

感謝のしようがありません。

親と思って登山技術及び人生経験を学ばせていただきます。

よろしくお願いします。

大袈裟な事や。ケツがコソボ―なるがな。
俺達が登れる間は一緒に楽しもうや。
大きな息子やのう、そのうち、手取り足取りで
爺さんを連れて行ってくれや。

君の人生と山旅に幸多からんことを祈る。

シュアさしてもらいました。

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