2017年10月 4日 (水)

たまにはノンビリ歩こうよ

9月24日(日)はサークルHMAの9月例会です。

 兵庫県山岳連盟が植林し管理する「岳連の森」というのが住吉川左岸の十文字山付近にあります。サークルHMAは兵庫県山岳連盟が主催する事業でありメンバーは連盟の登録会員でもあります。メンバーに「岳連の森」を知ってもらおうとの思いから9月例会は企画されました。斯く言う私も「岳連の森」を詳しく知っている訳ではありません。

良い機会なのでトっちゃんにも連絡して、

 「たまにはノンビリと歩こうや、岳連の森って知らんやろ?」

 と声を掛けました。

09:00阪急芦屋川駅前に10名が集まりました。ここで本日のルートを説明し地図を配布しました。

いつものパターンです。

「俺は道を知らんからゴールまで連れて行ってよ」

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高座ノ滝手前から尾根に上がり荒地山へ、岩梯子の手前を下降してブラックフェースの基部に向います。ここでスリングを使った簡易チェストハーネスを作りフィックス工作をしながらフェースを登りました。

「今日はノンビリとハイキングやと思ってたのにクライミングもあるんですか?」

ハイキングと云えども補助ロープ、120cmスリング、カラビナは持参しています。手持ちの装備を使って難所を突破する方法を学びます。

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ボルダーエリアを抜けて荒地山山頂へ、そこから雨ヶ峠への道に出て芦屋カントリー手前を西へ折れ、黒五谷に沿って歩き打越峠に向いました。

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打越峠から少し八幡谷方向へ下り、森林管理道を辿ったのですが、これがアホ程長い道です。打越山の南面を等高線に沿ってクネクネと変化の乏しい道が続いておりました。

「ノンビリハイクも良いけど、こうも長いとウンザリやね」

茂みを抜けると突然、フェンスのある私有地のような場所に出ました。その先の小高い丘陵地が「岳連の森」でした。下草が刈られ明るい広場のようです。車道を下り豪邸の並ぶ住宅街を抜けて御影に下りました。

「喉がカラカラやぁ~、ビール飲みに行くで!」

2017年9月 5日 (火)

悲しんでいては前に進めん。

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今年も恒例事業である兵庫県山岳連盟主催のクライミング講習会が7月11日より始まり、4回のピラミッドウォールでの講習を経て8月27日(日)六甲保塁岩での外岩講習の日を迎えた。今年の受講生は19名でした。そして今日の外岩講習には13名の方々が参加されています。スタッフを入れると20名の大部隊となりました。

昨日は芳之君の葬儀告別式やったし、その帰りにサークルHMAの運営会議に顔を出してから自宅に戻りましたが気が抜けてしまって何もする気が起きませんでした。しかし、この講習会は私も参画している仕事?ですから気持ちを切り替えて六甲山への向いました。悲しんで落ち込んでる姿を芳之君が見たら「何してんねん」と怒るでしょう。

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真夏の炎天下でのクライミングは厳しいものがあります。ここ保塁岩は六甲山上と云う立地からその点では比較的涼しくてこの時期は多くのクライマーが訪れます。我々総勢20名がルートを講習会の為に独占する事は許されません。それが気掛かりだったのですが幸いなことに知り合いのパーティーが大半で快くルートを空けて頂き協力してくれたのです。有難う御座いました。

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「電光クラック」「中央クラック」をデモクライミングする西村、大谷の講師陣です。

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講師達の動きを熱心に眺める講習生の面々です。この後、全員が果敢に壁に挑んで行きます。2ルートは厳しいルート設定なんですが皆さん頑張っていました。朝9時に始まった講習会は夕方4時まで続いたのです。

今年も無事にクライミング講習会を終える事が出来ました。やれやれホッとしました。

「お疲れ様でした。来週はセルフレスキュー講習会です。 忙しいね」

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先週はクライミング講習会の最終日でした。9月3日(日)は技術遭難対策委員会によるセルフレスキュー講習会が神戸登山研修所で開催されました。サークルHMAから参加した6名は岩場での事故を想定した救助技術を真剣な眼差しで受講しています。

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リードしていたパートナーが墜落した。確保はしたものの負傷して身動きが取れない。ビレヤーは握るロープに荷重が掛かって手を離す事も出来ない危機的状況となった。ここからビレイヤーが要救助者の元に向うため負荷を外す自己脱出操作を行う一連の作業がビシビシと教え込まれます。

「こんな事も出来へんのか!何処のクラブや!サークルHMA?代表は誰やねん?」

本日の講師陣は厳しいですね。一本松遭対委員長、西村指導委員長、市川遭対委員が指導にあたっております。市川講師が本日の要救助者役です。説明が続いている長い間もブラ下がったままですから疲れるでしょうね。

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今年度から兵庫県山岳連盟の理事に就任した市川君は技術遭対委員として多くの事業を手掛けています。9月9日(土)にはサークルHMAのメンバーを対象にした読図基礎講座の講師もお願いしております。

「兵岳連も大谷、市川達の次世代メンバーが背負ってくれるでしょう。老兵が消え去る日も近いね」

2017年9月 1日 (金)

前田芳之君を偲ぶ

長年の友であり自然界との接し方を教えてくれた師でもあった前田芳之君が逝った。行年71歳でした。過ぎし日、彼と共に奄美の自然に触れた、その思い出を記して芳之君を偲びたいと思う。

彼ほど豪放磊落な男に出会った事がなかった。芳之君と話していると自分自身がチッポケな人間に思えてしまう。

大阪出身の彼は若くして生活拠点を鹿児島県の奄美大島に移し「芳華園」と云う農園を構え奄美の大自然と向き合った。 

私とは同じ山男でもあり妙に気が合い同年代と云う事で「クロちゃん、ヨシユキ君」と呼び合うようになった。芳之君との付き合いも考えれば何十年にもなる。芳之君は子供の頃は昆虫少年、大学は理学部に進み理学博士でもある。甲虫の研究者として、また樹木医としても名声は高く、その足跡は遠く南米パラグアイにまで及んでいる。パラグアイのジャングルには毎年のように出掛けては甲虫や植物の新種を探していた。

帰国すると、 

「クロちゃん、またやられたわ!」

腕の皮膚に卵を産み付けられて皮下で幼虫が孵りモゾモゾと動きます。

「またナイフでほじくって取り出すわ」

何度か一緒にパラグアイへ行こうと誘われましたが話を聞いただけでお断りしましたね。

「クロちゃん、アスンシオンの女の子はスタイル抜群で綺麗やでえ!」

私の心が少し揺らぎました。

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芳之君の自然科学に対する知識と動植物に注ぐ愛情は並外れていました。鹿児島県の自然保護委員で環境省希少野生動物種保存推進委員でもある彼を師と仰ぐファンも多く居るのです。鹿児島大学や九州大学とも協同研究をしていたようです。頭デッカチで学究肌のガチガチの学者とは程遠い酒とパイプ煙草を愛する何処にでも居そうな田舎のオッチャンでしたね。 

私が環境省の自然公園指導員になった時も

「クロちゃん、これからは動植物の勉強もシッカリとやれよ」

尻を叩かれました。

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奄美大島の瀬戸内町に彼の農園はある。蘇鉄や南洋植物を栽培しており、その多くは海外に輸出されています。

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何年も前に訪れた奄美本島の南にある加計呂麻島の海岸です。芳之君と二人で断崖に自生する蘇鉄の古木調査に出掛けたのです。

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この時、神戸から登攀道具をゴッソリと持参して調査に向いました。海岸線から壁を登って行くのですが岩が脆くて危険なクライミングでした。それに奄美の夏は半端な暑さじゃありません。お互いクライマーですから結局はこの壁を登り調査は完了させました。

「加計呂麻島と徳之島の間に海上にそそり立つ岩峰があるねん、そのテッペンにも大きな蘇鉄が自生してるんや、船から取り付いて登ろうや」

この計画は実現せずそのままです。

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金作原という奄美の原生林へ入りました。沖縄本島で絶滅した「リュウキュウ鮎」が奄美に多く生息しているというのです。天然記念物の絶滅危惧種「黒ウサギ」の形跡も探してます。これも沖縄北部にしか生息しない天然記念物である日本最大の甲虫「ヤンバルテナガコガネ」も奄美で確認したと言うのです。本当に奄美は手付かずの自然が残るパラダイスでした。

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原生林はジュラシックパークの世界です。巨大なシダ(ヒカゲへゴ)が生茂っています。今にも恐竜が出てきそうな雰囲気でした。

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「リュウキュウ鮎」が群れている清流です。私の知る内地の鮎よりかなり小型で言われなければ鮎と云うよりハエにしか思えませんでした。今では奄美の「リュウキュウ鮎」は沖縄本島の河川に放流され、その個体数も増加傾向にあると聞いた。

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これは金作原の帰りに捕獲したハブです。こいつは本当に大きい奴でした。

芳之君と私の間に飛び出したんです。私が棒切れで押さえ芳之君が手際良く袋に入れます。凄い力で抵抗しましたね。

「噛まれたらどうしよう?」

「大丈夫や、噛まれたらポイズンリムーバーがあるから傷口を剃刀で切ってから毒を吸い出したる!」

何とも凄い話です。

このハブ君は古仁屋にある東京大学医科学研究所(奄美病害動物研究施設)の服部先生に渡しました。蛇毒血清に役立ててもらいましょう。

ハブは鼻の先端にあるセンサーで熱を感知して攻撃するそうです。服部先生が捕獲棒の先端を軽くライターで焙り、ハブの鼻先に近づけると熱に反応して飛び掛かりました。

「きっと、こいつは芳之君が咥えてたパイプの熱に反応して飛び出したんやわ」

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奄美本島と加計呂麻島間には大島海峡があります。入り組んだリアス式海岸と珊瑚礁が広がっています。山から戻り今度はダイビングです。色とりどりの珊瑚、熱帯魚、大きなシャコ貝、夜光貝、奄美の海も素晴らしい。芳之君はこの海で巨大なクエを餌付けしてると言う、人馴れして寄ってくるそうだ。

困るのは海蛇の多さです。人を恐れず直進して来るのでこちらが避けてやるんです。

「クロちゃん、そいつの毒はコブラより強いぞ!」

芳之君は笑いながら脅かすのです。

確かに猛毒ですが口も小さく、刺激しない限りは大丈夫。

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この海の透明度の高さには驚きました。体が空中に浮かんでいるような不思議な浮遊感には感動しますね。

芳之君と過ごした奄美での数日を私は生涯忘れることはないだろう。

彼と一緒に行こうと約束していた東シナ海の人口浮き漁礁での磯マグロ釣り、南アフリカに広大な農場を所有する農場主に誘われたバッファローを狩るビッグハンティングもあったよな。俺を残して自分だけ夢の世界へ旅立ってしまいましたね。本当に寂しいです。悔しいです。

まだまだ教えて欲しい事が山ほど有ったのに、私の人生観に大きな影響を与えた芳之君、自分自身が納得出来る生き様、何を求めるのか、何を目指すのか、彼に背中を押され、励まされ、私なりに進む方向を見い出してきた。

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今富君とこの夏には奄美へ行って黒糖酒を酌み交わそうと約束していたのに、それも叶わず芳之君は旅立ってしまった。

芳之君の残した功績は本当に大きい。奄美の動植物を守り、そして育て、自然と人間はどう共存するべきかを提議してきたね。

弔文で述べられていた、

「奄美の動植物に代わって代筆します。私達は貴男に感謝しています。私達を守ってくれて本当に有難う」

心に滲みました。

芳之君、君の人生は最高でしたよ。自らが目指した道を歩き通した、納得の一生です。そう思いたい。

「さようなら、我が友、お疲れ様でした、私も感謝しています」

2017年8月10日 (木)

古希コンビで挑んだ最後の剣岳(2017夏)

2017年5月7日、悪夢のようでした。攣縮性狭心症に倒れ緊急入退院してから早いもので3ヶ月が過ぎた。

古希を過ぎ、齢を重ね71歳となった。考えてみると若い頃からの不摂生、不健康を絵に描いたような生活を送ってきたのですから心臓が悲鳴を上げても不思議ではなく当然の結果だったんでしょう。

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病を得て登山人生最後のチャンスでもあった来年のヒマラヤ遠征も参加出来なくなり高嶺の夢は遙か彼方に消え去った。私の登山人生もどうやらこの辺りが引退する潮時なんだろうと考える事が多くなった。 

さて、そうなると何か自分自身に納得がいくベストな終止符の打ち方とは何だろう? 山の終活を始めようか。

高校2年生(17歳)の夏から一緒に登山を始め50年を超える付き合いのトっちゃんに相談してみた。 

「今まで登って来た山々へ挨拶しに行ったらエエやんか、まずは剣岳やなァ、俺が付き合ったる」

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こうして「さよなら行脚登山」の第一章である剣岳計画が始まった。

入山を8月初旬とし、仕事の合間を縫って歩荷、クライミングとトレーニングを続けた。体調も良く、あの5月以来発作も起こらず心臓君は元気?に働いているようだ。

「よっしゃ!これなら行ける!」

そして計画とは、

(1日目) 

室堂~剣御前~剣沢

(2日目) 

剣沢~長次郎谷~6峰Cフェース剣稜会ルート~八ツ峰上半部縦走

(3日目) 

八ツ峰上部~池ノ谷乗越~北方稜線~剣岳山頂~別山尾根下降~平蔵ノコル

(4日目) 

平蔵のコル~室堂

としたのです。

ロープはシングル50m、クイックドローは各自4、スリングはカラビナをセットし多めに持参、捨てカラビナも数枚を用意した。今山行ではテントは持参せずツエルトを使用する。超軽量の2人用を今回に合わせて購入したのですが少し狭いので重たいが長年に亘り愛用してきた相棒のような古いツエルトを使います。全てを背負っての行動ですから少しでも重量を軽減したいのですが、日程との関係で食料は増えるし、夏場でもあり多くの水も必要となります。ザックの総重量は16kgを越えていました。これも想定内です。

Photo     (北鎌尾根で使用した時の画像です。風雨に耐えました。)

今回もフライはトっちゃん特製の厚手のゴミ袋フライです。これは北鎌尾根でも威力を発揮した優れ物です。

8月4日、同じ日に本峰南壁A2登攀に向うケンちゃん、ナオミちゃんに出会いましたがお若い二人には雷鳥坂で軽く抜き去られてしまいました。

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8月5日AM03:00剣沢をスタートする。長次郎の登りでは激しい動悸と息切れで何度も立ち止まってしまう。

「心臓がパンクしそうや!こんな苦しいのは初めてですわ!病気の後遺症かなぁ~」

本当に苦しかった。思わずザックのポケットに入れたニトロに手が伸びそうでしたね。

大半が雪に埋もれた熊の岩には3張りのテントが見えます。八ツ峰6峰が眼前に近づいた。ガレ場は完全に雪に隠れています。剣沢の富山県警山岳警備隊で得た情報通り6峰岩壁取り付き部は大きくシュルンドが口を開けていました。

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スタートはまるで井戸の底から登り出す感じです。滴り落ちる冷たい融水と冷気で寒くて堪りません。このCフェース登攀で最大の難関はシュルンドからの抜け出しでした。とにかく狭くて大きなザックを背負っての通過には一苦労です。下手に滑り落ちれば隙間にガッチリと挟まってしまい脱出不能となります。

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(これは2013年本峰南壁A2を登攀した時のシュルンド状況です。キノコを切って下降しました)

本当に良く似た状況ですが、今回の方が苦労しましたね。

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Cフェースは別段取り立てて言うほどの難しいルートではありません。但し、今回はズッシリと肩に食い込む重いザックを背に登るので、一歩上がるのにヨイショ、ヨイショと思わず掛け声が口を突きます。

「ザックで振られるし、ロープも重いから短くピッチを切るわな」

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Cフェース名物のレイバックリッヂに向ってロープを伸ばすトっちゃんです。

誰も居ないCフェース、快適な登攀が続きます。ザックの重さも忘れて楽しんでしまったオジン二人。

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Cフェースの登攀を終え八ツ峰上半部の縦走になりました。問題は各自2リットル背負っていた水が底を突きそうな事です。池ノ谷乗越まで行けば残雪で水は確保出来ます。ぼちぼち今日の疲れが出てきました。残雪を求めて8峰への稜線を外れ7峰を懸垂下降し三ノ窓側を巻くルートに下りた。今年は三ノ窓側のガリーに残雪は必ず残っていると2人とも妙に共通した確信があったのです。
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「ホラ!雪が残ってるわ、思った通りやで!」

やはり狙い通り雪は残っておりました。

「かなり汚れた雪やけど飲めるかなぁ~?」

「大丈夫やて、高ちゃんに言われるぞ、ゴミは歯で濾して飲め、濁りは胃袋で濾せとね」

台湾の雪山南壁で飲んだ溜り水、泥水やインダス源流の氷河で飲んだ灰色に濁った水に比べたら綺麗なもんです、そう思いましょう。

「俺なんか泥水を啜るような暮らしやから平気やわい!」

奥にチンネの左稜線が見えています。

トっちゃんが言う、

「左稜線は長かったなぁ~、あの帰りには完全にバテたもんなぁ」

トラウマになる程、扱かれたようだ。

時間的には余裕はありましたが残雪も見つけた事だし少し早いが行動を切りました。上部から落石の来ない場所を選んで腰を下ろしました。足元は三ノ窓雪渓まで切れ落ちているし二人並んで横になって寝る幅もありません、座っているだけです。夜半から激しい雨に見舞われたがツエルトと特製フライを被り、何度もズリ落ちそうになりながら一晩耐えました。

「こんな事して楽しいか?どうよビバーク魔の高ちゃん」

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明け方に雨は小康状態となった。大急ぎで装備を整えと云っても靴もギヤーもヘルメットも装着したままですからビスケット類を泥水と一緒に胃袋に流し込み、これで朝食は終わり、速やかにBPをスタートします。寝不足の身体に気合いを入れて、

「さぁ、今日も一日頑張りましょう!行くでぇ~」

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クレオパトラニードルをバックに三ノ窓の頭を巻くように左上方へ3ピッチで八ツ峰の頭に抜けた。幻想的なムードを漂わせる八ツ峰上部でした。


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越えてきた八ツ峰上部です。濃いガスが早朝から山肌を這い上がってくる。

どうやら台風5号が怪しげな動きをしているようです。

今日も一日中悪天候の中での行動となりそうだ。

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八ツ峰の頭からの池ノ谷ガリーに懸垂下降です。池ノ谷乗越まで昨日中には登る予定だったのです。

行程が半日程遅れています。

「天気も悪いし、この歳やから、まぁ良しとしましょうや!」

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小雨とガスの中、北方稜線を辿ります。予想していたよりルートは荒れています。ガレとガサガサの浮石だらけ、長次郎ノ頭も巻き道は崩れていて通行不能。稜線に上がり頭からコルへ懸垂下降するルートを選択します。支点の角度が悪いのでスリングを追加セットしボナッティーのビナを記念?に残しました。北方稜線ではここまでに2ヶ所ロープを出しました。雨中で滑る岩と重荷でバランスを崩しそうになりますから安全第一、面倒でもスタカットで悪場は通過しました。
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剣岳頂上部は全く見えません。雨に打たれながら剣本峰の急峻な岩場を只管に登ります。

「トっちゃん、高度計を見てくれるか?」

「今は2960mを表示してるで」

傾斜が落ち少し進むとガスの中からヒョッコリと山頂の祠が姿を現した。登山者の姿は全くありません。風はピタリと止まり妙に静まりかえった剣岳山頂。爺さん二人だけの2999m。

「トっちゃん、付き合ってくれて有難う!友情に感謝してます」

雨に濡れた私の顔は泣き笑いしているように見えたでしょうね。

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再び強さを増した風雨の中、剣岳山頂に別れを告げます。顧みれば20代から四季を問わず幾度も訪れた剣岳山頂(2999m)です。感慨を込めてもう二度と訪れる事は無いであろう山頂の三等三角点にそっと手を当てた。

「剣岳さん、長い間、楽しませて頂き、また鍛えてもらい感謝しております。私は山の世界から引退していきますが、これからはどうか私の後輩達を宜しくお導き下さいますようお願い致します。本当に、本当に有難うございました」

少し下った所で今一度、山頂部を振り返った。

真っ白なガスのカーテンにその姿は覆われ何も見えなくなっていました。

(後記)

神戸を出る時、台風5号は九州南部方向へ向かっていた。北陸方面が進路予報円に入ってくるのはまだ先だと読んだのですが、甘かったです。下山(8月7日)は大荒れ、雷鳥沢から室堂ターミナル間は凄い嵐でした。下山して神戸に帰るにも苦労しました。北陸自動車道は武生から名神方面が通行止め、8号線も駄目、舞鶴若狭道も敦賀から通行止めです。仕方なく27号線をトコトコと走り、舞鶴赤レンガ館で「海軍カレー」を喰って、ヤットコサ神戸に帰る事ができました。帰った日は登山研修所でクライミング講習会があります。帰宅し本業の仕事を済ませて参加しましたが正直なところ疲れ果てており、欠席したかったのが本音です。

もう一つ、

今回の山行用にファイブテンのイグサムガイドを購入しました。これが素晴らしいグリップ力を発揮しました。流石にステルスC4ラバーの威力は凄い、濡れた岩をものともしないのです。しかし、北方稜線の鋭いガレガレでサイドのゴムカバー部分が両足とも無残に切り裂かれておりました。雨具は穴だらけ、エアーマットもパンクです。トホホ…

2017年7月14日 (金)

懐かしい友と再会する

懐かしい友が神戸にやって来た。10年振りの再会となったMR.FIDA MUHAMMADです。彼と私は不思議な縁があり10年前の「JOINT9 GHANDOGHORO PASS 2007」を共にする事になったんです。

 彼は言いましたね、

 「JOINT9はクロダさんが命名したの? 良い名前だねぇ~」

もそう思う

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彼は清瀬夫妻とも親交が深いんです。清瀬先輩やフィダさんが我家に寄った時、ベランダから海を眺め、

「GOOD VIEW!」

を連発したんです。

それからです、清瀬先輩の

「舞子で家を探してくれ!」

から始まり、現在は我家の近くに住んでおられますわ。

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実業家でもあるフィダさんがが母国パキスタンに「K2 INTERNATIONAL]と言う会社を立ち上げたのです。中古の日本車を世界に輸出する仕事をしている彼は初来日当時、私の友人が営む自動車関係の貿易会社で事業のノウハウを学んだそうだ。その彼が立ち上げた「K2 INTERNATIONAL」のツーリスト部門第一号の客が我々であったと云うことです。

友人の言う、

「黒ちゃん、フィダは良い奴で信頼できる男やで、任せて大丈夫や!」 

この一言と彼の存在が遠征計画推進の原動力となったんです。

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清瀬先輩と踊るフィダさんです。2007年ですから清瀬先輩が70歳でフィダさんは40歳ですね。この遠征は隊員スタッフにポーターを含めると数十人となる大部隊だったのです。近隣の村やフィダの故郷マチュルーからもポーターは集められました。私達の道楽?にこんな大勢がサポートしてくれる、これこそが贅沢の極みだと心から思った。

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MR.FIDAの来神を知って「JOINT9 GHANDOGHORO PASS 2007」のメンバーが集まってきました。日本山岳会の宗實さん、長田さん、久保さん、廣田さん、六魔会の安田さん、田中さん、岡村さん、そして清瀬先輩と私の9名と奥方様も来られました。北野町にあるパキスタン料理の店「All’s Halal KItchen」で会食となりました。

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敬虔なモスリムであるMR.FIDAは毎日5回の礼拝を欠かさない。彼は言う、礼拝では、まず世の中の安寧を祈り、自分の事は最後にすると、8回深く頭を下げるのは心臓から頭に血が巡り健康にも良いんだと、礼拝前に手を洗い、口を漱ぐ事も、「私はこれで病気しないよ」理に適ってるのかな。ラマダンは貧者と気持ちを一にする意味合いがあるんだって、信仰とは凄いね。

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バルチスタンにある谷間の村マチュルーが彼の実家です。彼の家で郷土料理を御馳走になり歓待されたことを思い出した。この息子さんも大きく育ったとフィダは目を細めて語った。彼の奥さんも2人居るまでは確認している、以前、子供の数を聞いた時、回答が返って来るまで時間が掛かった。彼は現在、南米チリのプンタアレナスに拠点を構えビジネスに勤しんでいる。

「今度はチリかいな?また嫁さんが増えたやろが?」

彼は笑ってましたね。

「俺なんか一人の嫁でヒーヒー言わされてるんやぞ!」

2007年バルトロ氷河のモレーンにケルンを積み山を愛した親父を分骨してお袋の写真と一緒に納めた。墓碑には「父母、我と旅しここに眠る」と記した。あの時、フィダが唱えてくれるコーランが氷河に響いた。あの荘厳な光景を私は生涯忘れない。

我家の長男坊に言われた、

「お父さんもお爺ちゃんと同じ場所に分骨したりたいけどパキスタンは遠すぎるわ、六甲山で我慢してな」

今一度、行けるものなら残した宿題を果たしにバルチスタンに行きたいと思う。

今月のHMAは小田原川でした。

7月9日(日)はサークルHMAの7月例会でした。向う先は久し振りの小田原川本谷です。

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08:00峰山高原リラクシアに総勢14名が集合した。この日は降水確率が高く、天気は崩れ雨になると予想された。アプローチを考えました。遡行を終え、谷で濡れ雨に濡れながら疲れた足で悪路を下山するより、まず先に登山道を下降して入渓点に向う方が安全だと判断し黒岩の滝パーキングエリアから学習登山道を辿って下りることにしました。

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1時間弱のアプローチで火照った体を流れに浸しクールダウンします。

「気持ち良いね、夏は沢登りが一番ですね」

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いつも登る滝ですが今日は水流が激しいですね。メガネがスッ飛ばされそうになったので私は巻きました。

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長雨の影響なのか峰山高原スノーパーク整備工事の余波なのか水は清流とは言えない状況です。

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二条の滝です。減水すれば左側の滝だけになります。この辺りからメンバーは流れを外して登っていくようになりましたね。日差しもないし数時間の沢登りで水の冷たさがボディーブローのように効いてきたようですね。

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この滝辺りから空の暗さが濃くなってきました。どうやら雨が落ちてくるのも時間の問題です。
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黒岩の滝に到着です。やはり思った通り雷鳴が轟き大粒の雨が降り始めました。右岸も考えましたが大人数なので左岸にフィックスロープをセットし、各自がセルフを取って黒岩の滝は越えました。

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14:30に終了点である取水堰堤に到着です。5時間の沢登りでした。今日のサークルHMA例会には兵庫県山岳連盟播磨支部の西本理事(姫路岳友同人会)が強力なサポート講師として参加してくれていました。本当に有難う御座いました。お疲れ様でした。

リラクシアの温泉施設に寄るメンバーと別れ、私は雨と霧の山道を下ります。

「家に帰ってから風呂に入ってビールにしよう!」




2017年6月27日 (火)

クラブ雲峰のご協力に感謝しています。

6月24日(土)は神戸登山研修所で朝から夕方まで頑張っておりました。

冠攣縮性狭心症とやらで倒れて、かれこれ2ヵ月になります。当初は再発の心配をしても仕方ないと開き直りのような生活を送っていました。しかし最近どうも足腰は痛むし、疲れが残るし無理が利きません、これは病ではなく加齢の成せる業なんでしょうかね。

「もう体はガタガタ、この先、動ける時間は残り少ないやろなぁ」

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今日は兵庫県高体連傘下の高校山岳部の生徒達がクライミング講習を受講するため神戸登山研修所にやって来ました。
近頃の高校生は体格も良く、手足も長く、スポーツクライミング向きの体型をした子が多くなりました、賢そうで礼儀正しいです。年中、腹を空かし、部活では監督や先輩にどつかれ、大人ぶって煙草をふかしていた胴長短足の私が過ごした時代とは雲泥の差ですね。

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根津御大の熱血指導が入っております。初めてクライミングウォールを登る子供もいます。今日の体験が刺激となり、この中から専門コーチそして顧問の先生方の指導でインターハイ国体、そしてワールドカップへと成長して行く子も出て来るのでしょうね。その頃には私はもう過去の人として皆の記憶からも消え去っているでしょう。

登山という観点から見ればスポーツクライミングは別ジャンルに位置付けられるものと思うのですがどうでしょうか。クライミングが国体の山岳競技となり、そしてオリンピックの競技種目にまでなってしまいました。山の世界に身を置いてきた私には正直なところ競技スポーツとしてのクライミングや人口の壁にあまり興味は無いのです。

「日本山岳協会」も時代の趨勢に流されてその名称を「日本山岳・スポーツクライミング協会」と改名してしまいました、背景には東京オリンピックを睨んだ政治的な動きがあるのでしょう。あの老害を撒き散らすM元首相あたりに忖度したかな?

人口の壁を登りスピードまで競うものと大自然を相手に体を張って命を賭けて高峰の頂を目指す行為が同じ協会ですね。

「日山スポ協かいな、まぁガンパッテみたら」

スポーツクライミングでトップクラスにあるクライマーでも登山と云うものをした事が無いという人も多く居るのです、面白い現象ですよね。

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同じ日、こちらで行っているのはサークルHMAのクライミング分化会の勉強会です。彼等は総合的な登山技術の向上を目指して岩壁登攀に必要とされる技術を学んでいるのです。

サークルHMAの担当?となって3年です。最近は色々と考える事も多くて疲れます。毎回、クラブ雲峰のメンバーにサポートをお願いし、本当に申し訳なく思っております。

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今日も何とか時間を割いてサポートに来ていただいた中西君、市川君、大谷君達には感謝しています。

今回は想定外だったとは言え、15名もの多くの参加者に手が回らず安全対策は完全な状態ではなかったと反省してます。ご指摘を受けた点は今後の活動面では留意して行きたいと思います。本当にクラブ雲峰には足を向けて寝られないですね。

「本日は誠に有難う御座いました。これからもお気付きの点がございましたらご指摘下さいますようお願い申し上げます」

2017年6月20日 (火)

西山谷を登り下りする。(サークルHMA講習会)

今年は空梅雨なんでしょうか、良いお天気が続いています。お蔭様で予定されている委員会事業も順調に消化する事が出来て有り難いです。

6月17日(土)はジュニアクライミング教室と並行して保護者の皆さんにもスポーツクライミングでの安全な確保技術(ビレイ)を体験して頂く催しが開かれ神戸登山研修所は今日も賑わっておりました。

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強い日差しを避けるためブルーシートで日除けを張っております。多くの元うら若き乙女?の御婦人方がお見えになるので我々は何かと細かな心配りが必要なんですよ。

翌日の6月18日(日)はサークルHMAの6月例会が控えており連日のご出勤です。

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今日も綺麗な夕焼けが西空を染めています。明日の天気も問題なさそうだ。

「今日は早寝して明日に備えて少しでも体を休めます」

この歳になると疲労はそう簡単には抜けてくれないのです。

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08:00、JR住吉駅にサークルHMAのメンバー12名が集まりました。

 6月の例会は六甲西山谷での技術講習会です。

今日の目的は谷の下降を想定したものです。下山ルートに谷筋を下るコースを選択したり、谷に迷い込んでしまった場合や沢登りでの撤退もあります。パーティーを引率するリーダーはどう判断し行動するかを体験してもらいます。 

まず西山谷を最上部のチョックストーン滝(F18)まで登ります。

病弱な私ですから今回もトっちゃんに無理を頼んで助っ人に来てもらいました。

「いつも無理を頼んでごめんな、君はサークルHMAの名誉顧問ですわ」

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今日の西山谷は吹き渡る風も爽やかで日陰ではヒンヤリと感じる最高のコンディションです。

この谷は亡き私の父親が好んで登っていた谷でもある。若い頃、学生時代を富山の高岡で過ごし立山連峰に親しんだと云う父、よく昔話をよく聞かされたものです。

昔は六甲山に雪が積もった日はゴルフ場が開放されスキーが出来たのです。父はいい歳なのにスキーを担ぎアイゼン着けてゴルフ場まで西山谷を登ります。少々変わった行動をとる理解できない親父でした。私が高校生の頃、親父に誘われて何度か登山しましたが私の目的は下山後に親父が飲ませてくれるビールでした。未成年で煙草や酒です、親父は何も言いません。古き良き時代の話です。

私とはまるで正反対のパワフルでワイルドでアバウトな人でしたね。

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空梅雨模様で水量も少ないと思っていたのですが予想に反して水量は普段と変わりません。

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西山大滝(F7)です。何度も転落死亡事故が発生している要注意ポイントですから慎重にフィックスロープをセットしてセルフを取っています。

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F17の右岸サイドを下降します。支点は大きな立木を使っています。

12名が懸垂下降するのですから時間が掛かります。これが大変な作業なのだと、それを体感してもらうのも学習です。

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急峻な第5堰堤の高巻きを懸垂下降して安全圏に抜けた面々です。大滝(F7)も懸垂下降したかったのですが滝を登るソロの沢屋が取り付いているので遠慮したのです。

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陽が暮れてヘッドランプを点して下る事まで実践しようと考えていたのですが予定より早く終わってしまいました。(F7を懸垂下降していたらヘッドランプの出番だったでしょうね)

この時点で私の頭の中は無事に講習会が終えたことの安堵感よりビールの泡が支配しています。

「この時間から開けてる居酒屋を探せぇ~!







2017年6月12日 (月)

クラブ内オリエンテーション(数学の授業かいな?)

6月11日(日)は神戸登山研修所で読図とクライミングの基礎技術の講座が開かれました。

今年度に入会したメンバーを対象とした講習なんです。

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最初の講義は読図の基礎学習です。 講師は市っちゃんが務めます。

地図上の北とコンパスの磁北は西にズレがあります。それを磁北偏角(西偏)と言い、場所によって磁気偏角は異なります(日本では6~10度位かな?)。そこで向う山域の偏角を事前に調べこの角度を地形図に記入する作業が必要となります。

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今回教材として使う山は氷ノ山にしました。流れ尾から山頂に登り東尾根を下るコースを想定して地図上に磁北線を引き、コース、進む方位、距離等の情報を記入したナビゲーションマップを作成するのです。

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磁気偏角を7度30分としてナビゲーションマップを作成するのですが、ここで必要なのが三角関数です。タンゼントがどうのと前の黒板には何やら数式が書かれています。磁気偏角の分を10進数でラジアン単位に変えて地図の縦の長さを計ってタンゼント値を出します。講師の市っちゃんは大学では工学部専攻ですから数学は得意ですね。

「今は簡単ですわ、スマホに関数計算のアプリが入ってるんですわ」

便利な世の中ですね。

初めての参加者はコンパスを片手に磁北線の角度算出や進行方位の確定、距離と悪戦苦闘してます。

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地図の講義が終わり、次の講義はクライミング基礎技術です。今回はラッペルステーションのリングにロープを通してロアリングする「結び替え」の手順を学んでおります。この講義は大谷君とケンちゃんが担当してます。

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昼食後は場所を屋外のピラミッドウォールに移し実技講習です。リードクライミングやビレイの指導が続きました。昼頃に雨が降りましたが実技を始める頃には薄日が差してきました。

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終了点での「結び替え」を実地指導で行っております。

私は昨日のトっちゃんと夕方までやっていたマルチの疲労と登り過ぎで股関節が痛くてどうしようもなく、ディレクターチェアーに座って講習を眺めておりました。

日が陰り涼しくて、あまりに気持ち良く、ついウトウトしてしまいました。

「エライコッチャ、見てみ、クロダさん逝ってもとるぞ~!」

「生きとるわい!」

後輩の成長を見ながら幸せそうな顔で大往生してると思われたそうです。

「ホンマにそれやったら、幸せな終わり方やな」

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本日はお疲れ様でした。来週も次のカリキュラムが待ってるようです。

基礎的な技術の修得に励んで下さい。まだまだ学ぶ事も多いし経験の積み重ねも必要です。

見ているだけで楽しくて、皆がとても頼もしく感じられた嬉しい一日でした。

トっちゃんに言われていました。

「若いモンの講習ではオジンは口を出したらアカンぞ!黙って見とけよ」

2017年6月 4日 (日)

痛みを分かち合おう

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この集合写真をご覧下さい。全員が左腕を上げた同じポーズをとっております。市ッちゃんがゲレンデにやって来たから歓迎と敬意を表したんです。

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左肩腱板断裂の接合手術から2ヵ月、軽いリハビリ程度の動きしか許可が出てないのに何をトチ狂ったのか市ッちゃんがゲレンデにやって来た。見学位なら良いだろうと見ているとハーネスは着ける、シューズまで履くのです。

「オイ、オイ、無茶するな!何をすんねんな、接合個所がまた切れるぞ!」

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仕方ないので登らせる事になりました。トップロープをギンギンに張って墜落に備えます。

「アカンと思ったらすぐに止めて降りて来いよ」

なぜ大人しく回復するまで我慢をするという簡単な事が出来ないんですかね。強い意志と自制心が働けば耐えられるはずです。彼の行動は常識人たる私には全く理解出来ません。

私なんか退院から一ヶ月の検診で病院に行ってドクターに言いましたもん、

「どうですか?過度な運動は控えられてますよね?」

「ハイ、ヒマラヤ遠征も止め、登山は自重して静かな日々を過ごしております」

市ッちゃんにも見習って欲しいものです。

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それでは市ッちゃんと痛みを分かち合おうとトっちゃんが言い出した。

「左腕を使えん様にスリングでシッカリと固定してくれや」

全員がハンデを付けて右腕一本で登る気妙な遊びが始まりました。

「副ちゃん、片手で登る方が上手いやないか! これからずっと左腕は固定したままで登れ!」

登ってる私にも声が掛かります、

「オーイ黒ちゃん、心臓は動いてるか?」

「ハイ、何とか動いてますわ」

クラブ雲峰は変な連中の集まりですね、子供がそのまま大きくなったような、良い意味では天真爛漫かな、こんな事してるから嫁さんを筆頭にして家族から冷ややかな目で見られるんですわ。

 

«今週末も真面目に動いております。

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