2017年8月10日 (木)

古希コンビで挑んだ最後の剣岳(2017夏)

2017年5月7日、悪夢のようでした。攣縮性狭心症に倒れ緊急入退院してから早いもので3ヶ月が過ぎた。

古希を過ぎ、齢を重ね71歳となった。考えてみると若い頃からの不摂生、不健康を絵に描いたような生活を送ってきたのですから心臓が悲鳴を上げても不思議ではなく当然の結果だったんでしょう。

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病を得て登山人生最後のチャンスでもあった来年のヒマラヤ遠征も参加出来なくなり高嶺の夢は遙か彼方に消え去った。私の登山人生もどうやらこの辺りが引退する潮時なんだろうと考える事が多くなった。 

さて、そうなると何か自分自身に納得がいくベストな終止符の打ち方とは何だろう? 山の終活を始めようか。

高校2年生(17歳)の夏から一緒に登山を始め50年を超える付き合いのトっちゃんに相談してみた。 

「今まで登って来た山々へ挨拶しに行ったらエエやんか、まずは剣岳やなァ、俺が付き合ったる」

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こうして「さよなら行脚登山」の第一章である剣岳計画が始まった。

入山を8月初旬とし、仕事の合間を縫って歩荷、クライミングとトレーニングを続けた。体調も良く、あの5月以来発作も起こらず心臓君は元気?に働いているようだ。

「よっしゃ!これなら行ける!」

そして計画とは、

(1日目) 

室堂~剣御前~剣沢

(2日目) 

剣沢~長次郎谷~6峰Cフェース剣稜会ルート~八ツ峰上半部縦走

(3日目) 

八ツ峰上部~池ノ谷乗越~北方稜線~剣岳山頂~別山尾根下降~平蔵ノコル

(4日目) 

平蔵のコル~室堂

としたのです。

ロープはシングル50m、クイックドローは各自4、スリングはカラビナをセットし多めに持参、捨てカラビナも数枚を用意した。今山行ではテントは持参せずツエルトを使用する。超軽量の2人用を今回に合わせて購入したのですが少し狭いので重たいが長年に亘り愛用してきた相棒のような古いツエルトを使います。全てを背負っての行動ですから少しでも重量を軽減したいのですが、日程との関係で食料は増えるし、夏場でもあり多くの水も必要となります。ザックの総重量は16kgを越えていました。これも想定内です。

Photo     (北鎌尾根で使用した時の画像です。風雨に耐えました。)

今回もフライはトっちゃん特製の厚手のゴミ袋フライです。これは北鎌尾根でも威力を発揮した優れ物です。

8月4日、同じ日に本峰南壁A2登攀に向うケンちゃん、ナオミちゃんに出会いましたがお若い二人には雷鳥坂で軽く抜き去られてしまいました。

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8月5日AM03:00剣沢をスタートする。長次郎の登りでは激しい動悸と息切れで何度も立ち止まってしまう。

「心臓がパンクしそうや!こんな苦しいのは初めてですわ!病気の後遺症かなぁ~」

本当に苦しかった。思わずザックのポケットに入れたニトロに手が伸びそうでしたね。

大半が雪に埋もれた熊の岩には3張りのテントが見えます。八ツ峰6峰が眼前に近づいた。ガレ場は完全に雪に隠れています。剣沢の富山県警山岳警備隊で得た情報通り6峰岩壁取り付き部は大きくシュルンドが口を開けていました。

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スタートはまるで井戸の底から登り出す感じです。滴り落ちる冷たい融水と冷気で寒くて堪りません。このCフェース登攀で最大の難関はシュルンドからの抜け出しでした。とにかく狭くて大きなザックを背負っての通過には一苦労です。下手に滑り落ちれば隙間にガッチリと挟まってしまい脱出不能となります。

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(これは2013年本峰南壁A2を登攀した時のシュルンド状況です。キノコを切って下降しました)

本当に良く似た状況ですが、今回の方が苦労しましたね。

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Cフェースは別段取り立てて言うほどの難しいルートではありません。但し、今回はズッシリと肩に食い込む重いザックを背に登るので、一歩上がるのにヨイショ、ヨイショと思わず掛け声が口を突きます。

「ザックで振られるし、ロープも重いから短くピッチを切るわな」

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Cフェース名物のレイバックリッヂに向ってロープを伸ばすトっちゃんです。

誰も居ないCフェース、快適な登攀が続きます。ザックの重さも忘れて楽しんでしまったオジン二人。

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Cフェースの登攀を終え八ツ峰上半部の縦走になりました。問題は各自2リットル背負っていた水が底を突きそうな事です。池ノ谷乗越まで行けば残雪で水は確保出来ます。ぼちぼち今日の疲れが出てきました。残雪を求めて8峰への稜線を外れ7峰を懸垂下降し三ノ窓側を巻くルートに下りた。今年は三ノ窓側のガリーに残雪は必ず残っていると2人とも妙に共通した確信があったのです。
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「ホラ!雪が残ってるわ、思った通りやで!」

やはり狙い通り雪は残っておりました。

「かなり汚れた雪やけど飲めるかなぁ~?」

「大丈夫やて、高ちゃんに言われるぞ、ゴミは歯で濾して飲め、濁りは胃袋で濾せとね」

台湾の雪山南壁で飲んだ溜り水、泥水やインダス源流の氷河で飲んだ灰色に濁った水に比べたら綺麗なもんです、そう思いましょう。

「俺なんか泥水を啜るような暮らしやから平気やわい!」

奥にチンネの左稜線が見えています。

トっちゃんが言う、

「左稜線は長かったなぁ~、あの帰りには完全にバテたもんなぁ」

トラウマになる程、扱かれたようだ。

時間的には余裕はありましたが残雪も見つけた事だし少し早いが行動を切りました。上部から落石の来ない場所を選んで腰を下ろしました。足元は三ノ窓雪渓まで切れ落ちているし二人並んで横になって寝る幅もありません、座っているだけです。夜半から激しい雨に見舞われたがツエルトと特製フライを被り、何度もズリ落ちそうになりながら一晩耐えました。

「こんな事して楽しいか?どうよビバーク魔の高ちゃん」

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明け方に雨は小康状態となった。大急ぎで装備を整えと云っても靴もギヤーもヘルメットも装着したままですからビスケット類を泥水と一緒に胃袋に流し込み、これで朝食は終わり、速やかにBPをスタートします。寝不足の身体に気合いを入れて、

「さぁ、今日も一日頑張りましょう!行くでぇ~」

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クレオパトラニードルをバックに三ノ窓の頭を巻くように左上方へ3ピッチで八ツ峰の頭に抜けた。幻想的なムードを漂わせる八ツ峰上部でした。


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越えてきた八ツ峰上部です。濃いガスが早朝から山肌を這い上がってくる。

どうやら台風5号が怪しげな動きをしているようです。

今日も一日中悪天候の中での行動となりそうだ。

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八ツ峰の頭からの池ノ谷ガリーに懸垂下降です。池ノ谷乗越まで昨日中には登る予定だったのです。

行程が半日程遅れています。

「天気も悪いし、この歳やから、まぁ良しとしましょうや!」

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小雨とガスの中、北方稜線を辿ります。予想していたよりルートは荒れています。ガレとガサガサの浮石だらけ、長次郎ノ頭も巻き道は崩れていて通行不能。稜線に上がり頭からコルへ懸垂下降するルートを選択します。支点の角度が悪いのでスリングを追加セットしボナッティーのビナを記念?に残しました。北方稜線ではここまでに2ヶ所ロープを出しました。雨中で滑る岩と重荷でバランスを崩しそうになりますから安全第一、面倒でもスタカットで悪場は通過しました。
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剣岳頂上部は全く見えません。雨に打たれながら剣本峰の急峻な岩場を只管に登ります。

「トっちゃん、高度計を見てくれるか?」

「今は2960mを表示してるで」

傾斜が落ち少し進むとガスの中からヒョッコリと山頂の祠が姿を現した。登山者の姿は全くありません。風はピタリと止まり妙に静まりかえった剣岳山頂。爺さん二人だけの2999m。

「トっちゃん、付き合ってくれて有難う!友情に感謝してます」

雨に濡れた私の顔は泣き笑いしているように見えたでしょうね。

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再び強さを増した風雨の中、剣岳山頂に別れを告げます。顧みれば20代から四季を問わず幾度も訪れた剣岳山頂(2999m)です。感慨を込めてもう二度と訪れる事は無いであろう山頂の一等三角点にそっと手を当てた。

「剣岳さん、長い間、楽しませて頂き、また鍛えてもらい感謝しております。私は山の世界から引退していきますが、これからはどうか私の後輩達を宜しくお導き下さいますようお願い致します。本当に、本当に有難うございました」

少し下った所で今一度、山頂部を振り返った。

真っ白なガスのカーテンにその姿は覆われ何も見えなくなっていました。

(後記)

神戸を出る時、台風5号は九州南部方向へ向かっていた。北陸方面が進路予報円に入ってくるのはまだ先だと読んだのですが、甘かったです。下山(8月7日)は大荒れ、雷鳥沢から室堂ターミナル間は凄い嵐でした。下山して神戸に帰るにも苦労しました。北陸自動車道は武生から名神方面が通行止め、8号線も駄目、舞鶴若狭道も敦賀から通行止めです。仕方なく27号線をトコトコと走り、舞鶴赤レンガ館で「海軍カレー」を喰って、ヤットコサ神戸に帰る事ができました。帰った日は登山研修所でクライミング講習会があります。帰宅し本業の仕事を済ませて参加しましたが正直なところ疲れ果てており、欠席したかったのが本音です。

もう一つ、

今回の山行用にファイブテンのイグサムガイドを購入しました。これが素晴らしいグリップ力を発揮しました。流石にステルスC4ラバーの威力は凄い、濡れた岩をものともしないのです。しかし、北方稜線の鋭いガレガレでサイドのゴムカバー部分が両足とも無残に切り裂かれておりました。雨具は穴だらけ、エアーマットもパンクです。トホホ…

2017年7月14日 (金)

懐かしい友と再会する

懐かしい友が神戸にやって来た。10年振りの再会となったMR.FIDA MUHAMMADです。彼と私は不思議な縁があり10年前の「JOINT9 GHANDOGHORO PASS 2007」を共にする事になったんです。

 彼は言いましたね、

 「JOINT9はクロダさんが命名したの? 良い名前だねぇ~」

もそう思う

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彼は清瀬夫妻とも親交が深いんです。清瀬先輩やフィダさんが我家に寄った時、ベランダから海を眺め、

「GOOD VIEW!」

を連発したんです。

それからです、清瀬先輩の

「舞子で家を探してくれ!」

から始まり、現在は我家の近くに住んでおられますわ。

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実業家でもあるフィダさんがが母国パキスタンに「K2 INTERNATIONAL]と言う会社を立ち上げたのです。中古の日本車を世界に輸出する仕事をしている彼は初来日当時、私の友人が営む自動車関係の貿易会社で事業のノウハウを学んだそうだ。その彼が立ち上げた「K2 INTERNATIONAL」のツーリスト部門第一号の客が我々であったと云うことです。

友人の言う、

「黒ちゃん、フィダは良い奴で信頼できる男やで、任せて大丈夫や!」 

この一言と彼の存在が遠征計画推進の原動力となったんです。

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清瀬先輩と踊るフィダさんです。2007年ですから清瀬先輩が70歳でフィダさんは40歳ですね。この遠征は隊員スタッフにポーターを含めると数十人となる大部隊だったのです。近隣の村やフィダの故郷マチュルーからもポーターは集められました。私達の道楽?にこんな大勢がサポートしてくれる、これこそが贅沢の極みだと心から思った。

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MR.FIDAの来神を知って「JOINT9 GHANDOGHORO PASS 2007」のメンバーが集まってきました。日本山岳会の宗實さん、長田さん、久保さん、廣田さん、六魔会の安田さん、田中さん、岡村さん、そして清瀬先輩と私の9名と奥方様も来られました。北野町にあるパキスタン料理の店「All’s Halal KItchen」で会食となりました。

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敬虔なモスリムであるMR.FIDAは毎日5回の礼拝を欠かさない。彼は言う、礼拝では、まず世の中の安寧を祈り、自分の事は最後にすると、8回深く頭を下げるのは心臓から頭に血が巡り健康にも良いんだと、礼拝前に手を洗い、口を漱ぐ事も、「私はこれで病気しないよ」理に適ってるのかな。ラマダンは貧者と気持ちを一にする意味合いがあるんだって、信仰とは凄いね。

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バルチスタンにある谷間の村マチュルーが彼の実家です。彼の家で郷土料理を御馳走になり歓待されたことを思い出した。この息子さんも大きく育ったとフィダは目を細めて語った。彼の奥さんも2人居るまでは確認している、以前、子供の数を聞いた時、回答が返って来るまで時間が掛かった。彼は現在、南米チリのプンタアレナスに拠点を構えビジネスに勤しんでいる。

「今度はチリかいな?また嫁さんが増えたやろが?」

彼は笑ってましたね。

「俺なんか一人の嫁でヒーヒー言わされてるんやぞ!」

2007年バルトロ氷河のモレーンにケルンを積み山を愛した親父を分骨してお袋の写真と一緒に納めた。墓碑には「父母、我と旅しここに眠る」と記した。あの時、フィダが唱えてくれるコーランが氷河に響いた。あの荘厳な光景を私は生涯忘れない。

我家の長男坊に言われた、

「お父さんもお爺ちゃんと同じ場所に分骨したりたいけどパキスタンは遠すぎるわ、六甲山で我慢してな」

今一度、行けるものなら残した宿題を果たしにバルチスタンに行きたいと思う。

今月のHMAは小田原川でした。

7月9日(日)はサークルHMAの7月例会でした。向う先は久し振りの小田原川本谷です。

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08:00峰山高原リラクシアに総勢14名が集合した。この日は降水確率が高く、天気は崩れ雨になると予想された。アプローチを考えました。遡行を終え、谷で濡れ雨に濡れながら疲れた足で悪路を下山するより、まず先に登山道を下降して入渓点に向う方が安全だと判断し黒岩の滝パーキングエリアから学習登山道を辿って下りることにしました。

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1時間弱のアプローチで火照った体を流れに浸しクールダウンします。

「気持ち良いね、夏は沢登りが一番ですね」

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いつも登る滝ですが今日は水流が激しいですね。メガネがスッ飛ばされそうになったので私は巻きました。

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長雨の影響なのか峰山高原スノーパーク整備工事の余波なのか水は清流とは言えない状況です。

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二条の滝です。減水すれば左側の滝だけになります。この辺りからメンバーは流れを外して登っていくようになりましたね。日差しもないし数時間の沢登りで水の冷たさがボディーブローのように効いてきたようですね。

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この滝辺りから空の暗さが濃くなってきました。どうやら雨が落ちてくるのも時間の問題です。
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黒岩の滝に到着です。やはり思った通り雷鳴が轟き大粒の雨が降り始めました。右岸も考えましたが大人数なので左岸にフィックスロープをセットし、各自がセルフを取って黒岩の滝は越えました。

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14:30に終了点である取水堰堤に到着です。5時間の沢登りでした。今日のサークルHMA例会には兵庫県山岳連盟播磨支部の西本理事(姫路岳友同人会)が強力なサポート講師として参加してくれていました。本当に有難う御座いました。お疲れ様でした。

リラクシアの温泉施設に寄るメンバーと別れ、私は雨と霧の山道を下ります。

「家に帰ってから風呂に入ってビールにしよう!」




2017年6月27日 (火)

クラブ雲峰のご協力に感謝しています。

6月24日(土)は神戸登山研修所で朝から夕方まで頑張っておりました。

冠攣縮性狭心症とやらで倒れて、かれこれ2ヵ月になります。当初は再発の心配をしても仕方ないと開き直りのような生活を送っていました。しかし最近どうも足腰は痛むし、疲れが残るし無理が利きません、これは病ではなく加齢の成せる業なんでしょうかね。

「もう体はガタガタ、この先、動ける時間は残り少ないやろなぁ」

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今日は兵庫県高体連傘下の高校山岳部の生徒達がクライミング講習を受講するため神戸登山研修所にやって来ました。
近頃の高校生は体格も良く、手足も長く、スポーツクライミング向きの体型をした子が多くなりました、賢そうで礼儀正しいです。年中、腹を空かし、部活では監督や先輩にどつかれ、大人ぶって煙草をふかしていた胴長短足の私が過ごした時代とは雲泥の差ですね。

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根津御大の熱血指導が入っております。初めてクライミングウォールを登る子供もいます。今日の体験が刺激となり、この中から専門コーチそして顧問の先生方の指導でインターハイ国体、そしてワールドカップへと成長して行く子も出て来るのでしょうね。その頃には私はもう過去の人として皆の記憶からも消え去っているでしょう。

登山という観点から見ればスポーツクライミングは別ジャンルに位置付けられるものと思うのですがどうでしょうか。クライミングが国体の山岳競技となり、そしてオリンピックの競技種目にまでなってしまいました。山の世界に身を置いてきた私には正直なところ競技スポーツとしてのクライミングや人口の壁にあまり興味は無いのです。

「日本山岳協会」も時代の趨勢に流されてその名称を「日本山岳・スポーツクライミング協会」と改名してしまいました、背景には東京オリンピックを睨んだ政治的な動きがあるのでしょう。あの老害を撒き散らすM元首相あたりに忖度したかな?

人口の壁を登りスピードまで競うものと大自然を相手に体を張って命を賭けて高峰の頂を目指す行為が同じ協会ですね。

「日山スポ協かいな、まぁガンパッテみたら」

スポーツクライミングでトップクラスにあるクライマーでも登山と云うものをした事が無いという人も多く居るのです、面白い現象ですよね。

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同じ日、こちらで行っているのはサークルHMAのクライミング分化会の勉強会です。彼等は総合的な登山技術の向上を目指して岩壁登攀に必要とされる技術を学んでいるのです。

サークルHMAの担当?となって3年です。最近は色々と考える事も多くて疲れます。毎回、クラブ雲峰のメンバーにサポートをお願いし、本当に申し訳なく思っております。

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今日も何とか時間を割いてサポートに来ていただいた中西君、市川君、大谷君達には感謝しています。

今回は想定外だったとは言え、15名もの多くの参加者に手が回らず安全対策は完全な状態ではなかったと反省してます。ご指摘を受けた点は今後の活動面では留意して行きたいと思います。本当にクラブ雲峰には足を向けて寝られないですね。

「本日は誠に有難う御座いました。これからもお気付きの点がございましたらご指摘下さいますようお願い申し上げます」

2017年6月20日 (火)

西山谷を登り下りする。(サークルHMA講習会)

今年は空梅雨なんでしょうか、良いお天気が続いています。お蔭様で予定されている委員会事業も順調に消化する事が出来て有り難いです。

6月17日(土)はジュニアクライミング教室と並行して保護者の皆さんにもスポーツクライミングでの安全な確保技術(ビレイ)を体験して頂く催しが開かれ神戸登山研修所は今日も賑わっておりました。

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強い日差しを避けるためブルーシートで日除けを張っております。多くの元うら若き乙女?の御婦人方がお見えになるので我々は何かと細かな心配りが必要なんですよ。

翌日の6月18日(日)はサークルHMAの6月例会が控えており連日のご出勤です。

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今日も綺麗な夕焼けが西空を染めています。明日の天気も問題なさそうだ。

「今日は早寝して明日に備えて少しでも体を休めます」

この歳になると疲労はそう簡単には抜けてくれないのです。

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08:00、JR住吉駅にサークルHMAのメンバー12名が集まりました。

 6月の例会は六甲西山谷での技術講習会です。

今日の目的は谷の下降を想定したものです。下山ルートに谷筋を下るコースを選択したり、谷に迷い込んでしまった場合や沢登りでの撤退もあります。パーティーを引率するリーダーはどう判断し行動するかを体験してもらいます。 

まず西山谷を最上部のチョックストーン滝(F18)まで登ります。

病弱な私ですから今回もトっちゃんに無理を頼んで助っ人に来てもらいました。

「いつも無理を頼んでごめんな、君はサークルHMAの名誉顧問ですわ」

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今日の西山谷は吹き渡る風も爽やかで日陰ではヒンヤリと感じる最高のコンディションです。

この谷は亡き私の父親が好んで登っていた谷でもある。若い頃、学生時代を富山の高岡で過ごし立山連峰に親しんだと云う父、よく昔話をよく聞かされたものです。

昔は六甲山に雪が積もった日はゴルフ場が開放されスキーが出来たのです。父はいい歳なのにスキーを担ぎアイゼン着けてゴルフ場まで西山谷を登ります。少々変わった行動をとる理解できない親父でした。私が高校生の頃、親父に誘われて何度か登山しましたが私の目的は下山後に親父が飲ませてくれるビールでした。未成年で煙草や酒です、親父は何も言いません。古き良き時代の話です。

私とはまるで正反対のパワフルでワイルドでアバウトな人でしたね。

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空梅雨模様で水量も少ないと思っていたのですが予想に反して水量は普段と変わりません。

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西山大滝(F7)です。何度も転落死亡事故が発生している要注意ポイントですから慎重にフィックスロープをセットしてセルフを取っています。

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F17の右岸サイドを下降します。支点は大きな立木を使っています。

12名が懸垂下降するのですから時間が掛かります。これが大変な作業なのだと、それを体感してもらうのも学習です。

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急峻な第5堰堤の高巻きを懸垂下降して安全圏に抜けた面々です。大滝(F7)も懸垂下降したかったのですが滝を登るソロの沢屋が取り付いているので遠慮したのです。

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陽が暮れてヘッドランプを点して下る事まで実践しようと考えていたのですが予定より早く終わってしまいました。(F7を懸垂下降していたらヘッドランプの出番だったでしょうね)

この時点で私の頭の中は無事に講習会が終えたことの安堵感よりビールの泡が支配しています。

「この時間から開けてる居酒屋を探せぇ~!







2017年6月12日 (月)

クラブ内オリエンテーション(数学の授業かいな?)

6月11日(日)は神戸登山研修所で読図とクライミングの基礎技術の講座が開かれました。

今年度に入会したメンバーを対象とした講習なんです。

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最初の講義は読図の基礎学習です。 講師は市っちゃんが務めます。

地図上の北とコンパスの磁北は西にズレがあります。それを磁北偏角(西偏)と言い、場所によって磁気偏角は異なります(日本では6~10度位かな?)。そこで向う山域の偏角を事前に調べこの角度を地形図に記入する作業が必要となります。

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今回教材として使う山は氷ノ山にしました。流れ尾から山頂に登り東尾根を下るコースを想定して地図上に磁北線を引き、コース、進む方位、距離等の情報を記入したナビゲーションマップを作成するのです。

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磁気偏角を7度30分としてナビゲーションマップを作成するのですが、ここで必要なのが三角関数です。タンゼントがどうのと前の黒板には何やら数式が書かれています。磁気偏角の分を10進数でラジアン単位に変えて地図の縦の長さを計ってタンゼント値を出します。講師の市っちゃんは大学では工学部専攻ですから数学は得意ですね。

「今は簡単ですわ、スマホに関数計算のアプリが入ってるんですわ」

便利な世の中ですね。

初めての参加者はコンパスを片手に磁北線の角度算出や進行方位の確定、距離と悪戦苦闘してます。

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地図の講義が終わり、次の講義はクライミング基礎技術です。今回はラッペルステーションのリングにロープを通してロアリングする「結び替え」の手順を学んでおります。この講義は大谷君とケンちゃんが担当してます。

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昼食後は場所を屋外のピラミッドウォールに移し実技講習です。リードクライミングやビレイの指導が続きました。昼頃に雨が降りましたが実技を始める頃には薄日が差してきました。

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終了点での「結び替え」を実地指導で行っております。

私は昨日のトっちゃんと夕方までやっていたマルチの疲労と登り過ぎで股関節が痛くてどうしようもなく、ディレクターチェアーに座って講習を眺めておりました。

日が陰り涼しくて、あまりに気持ち良く、ついウトウトしてしまいました。

「エライコッチャ、見てみ、クロダさん逝ってもとるぞ~!」

「生きとるわい!」

後輩の成長を見ながら幸せそうな顔で大往生してると思われたそうです。

「ホンマにそれやったら、幸せな終わり方やな」

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本日はお疲れ様でした。来週も次のカリキュラムが待ってるようです。

基礎的な技術の修得に励んで下さい。まだまだ学ぶ事も多いし経験の積み重ねも必要です。

見ているだけで楽しくて、皆がとても頼もしく感じられた嬉しい一日でした。

トっちゃんに言われていました。

「若いモンの講習ではオジンは口を出したらアカンぞ!黙って見とけよ」

2017年6月 4日 (日)

痛みを分かち合おう

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この集合写真をご覧下さい。全員が左腕を上げた同じポーズをとっております。市ッちゃんがゲレンデにやって来たから歓迎と敬意を表したんです。

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左肩腱板断裂の接合手術から2ヵ月、軽いリハビリ程度の動きしか許可が出てないのに何をトチ狂ったのか市ッちゃんがゲレンデにやって来た。見学位なら良いだろうと見ているとハーネスは着ける、シューズまで履くのです。

「オイ、オイ、無茶するな!何をすんねんな、接合個所がまた切れるぞ!」

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仕方ないので登らせる事になりました。トップロープをギンギンに張って墜落に備えます。

「アカンと思ったらすぐに止めて降りて来いよ」

なぜ大人しく回復するまで我慢をするという簡単な事が出来ないんですかね。強い意志と自制心が働けば耐えられるはずです。彼の行動は常識人たる私には全く理解出来ません。

私なんか退院から一ヶ月の検診で病院に行ってドクターに言いましたもん、

「どうですか?過度な運動は控えられてますよね?」

「ハイ、ヒマラヤ遠征も止め、登山は自重して静かな日々を過ごしております」

市ッちゃんにも見習って欲しいものです。

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それでは市ッちゃんと痛みを分かち合おうとトっちゃんが言い出した。

「左腕を使えん様にスリングでシッカリと固定してくれや」

全員がハンデを付けて右腕一本で登る気妙な遊びが始まりました。

「副ちゃん、片手で登る方が上手いやないか! これからずっと左腕は固定したままで登れ!」

登ってる私にも声が掛かります、

「オーイ黒ちゃん、心臓は動いてるか?」

「ハイ、何とか動いてますわ」

クラブ雲峰は変な連中の集まりですね、子供がそのまま大きくなったような、良い意味では天真爛漫かな、こんな事してるから嫁さんを筆頭にして家族から冷ややかな目で見られるんですわ。

 

2017年5月29日 (月)

今週末も真面目に動いております。

5月27日(土)は神戸登山研修所へ出掛けました。私も運営に参画しているジュニア委員会主催のクライミング講習会があるのです。

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集まったのは小学3年生から6年生の5名です。中でも3年生と6年生の姉妹が参加していましたがお姉ちゃんはかなりハイレベルなクライミングセンスを持っていました。言われた指示をしっかり理解してムーブを起しルートを攻略完登して行きます。登る前にオブザベもするし、一流選手並みです。厳しく指導する根津君が感心しておりましたね。妹ちゃんもかなり頑張ったのですがお姉ちゃんを超えられずお母さんに抱き付いて泣いてます、よほど悔しかったんでしょう。この姉妹はきっと強くなると思いますよ。

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この子は「サキちゃん」小学3年生の女の子です。毎週のように家族揃って神戸登山研修所へボルダーにやってくる研修所のアイドルです。私が初めてサキちゃんに会った頃は幼稚園児でしたから時が経つのは早いもんです。この親子3人を見ていると心が和みますね、仲よく明るくて良い家族です。今日も私は自分の息子、娘夫婦や孫達を見るお爺ちゃんの顔になっていたようです。

「サキ!偉い、偉い、よう頑張ったなぁ~」

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同じ日、遭難対策・技術委員会が主催するセルフレスキュー講習会も行われています。今年度から兵庫県山岳連盟理事に就任し遭対・技術の委員となった市っちゃんも来ていました。彼は左肩の腱板断裂接合手術を受けており動きも制限されているのですが、

「ビレイヤーは出来ます。登りたいんですが、我慢するしかありませんわ」

ジュニア講習には同じく常任理事の金谷君も来ています。彼も肩の腱を断裂して手術したのですが大人しくせず動き回り、結果は再手術となってしまいました。

「市っちゃん、我慢して安静にしとかんと金谷君の二の舞やぞ!」

ウンウンと横で金谷君が頷いています。故障者リスト入りメンバーが増えてますなぁ。

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人の事を言えませんね。翌日の日曜日はトっちゃんと2人でホームゲレンデに出掛けクライミング感覚を取り戻す基礎練習に励んでおりました。10:00から15:00頃まで2人だけですから休憩も少なく何度も何度も有るか無しかの細かいスタンス、ホールドを捉えて立ち込むバランス練習を繰り返しておりました。

「クライミング感覚が少し戻ってきたぞ!エエ感じやわ」

納得のVサインを出すトっちゃんでした。

「俺も岩の感触を手足の指先が思い出してきたわ」

未だ、私はこんな段階なのです。

珍しい事に今日は大勢のクライマーで賑わっていました。聞いてみると摩耶山友会のメンバーです。ここは大所帯のクラブやもんね。

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帰宅してベランダに出てみると夕焼けの西空に不穏な煙が立ち昇っています。かなり大きな火災が発生しているようだ。調べてみると播磨新島の工場が燃えているとの事です。我家から見ると播磨新島はこんな方向になるんだと初めて認識しましたね。

2017年5月21日 (日)

まだまだリハビリは続きます。

5月21日(日)はトっちゃんがセットしたリハビリ第2弾が私を待ってました。

今日はクライミングをさせてくれるらしいです。

「クライミングかぁ、ホームゲレンデは距離も近いし今日のリハビリは楽勝やね」

この考えは少々甘かったようです。

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アレレ?、岩場の前を素通りして石井ダムの300階段を下ってます。

「甘いのう、午前中は歩いて、昼からがクライミングや!」

だそうです。

「トホホ・・・やっぱりね、思った程、楽はさせてくれませんなぁ~」P5210002_2
ダムの300階段を登り返す程度で今日は堪忍してもらえると思ったんですけど、それも駄目でした。

今日の気温は真夏日近くまで上がるとの予報も出ています。汗が額から滴り落ち眼に入って痛い。小まめに水分補給をしなければ脱水症状を起しかねません。とにかく暑い!クソ暑い!

「この暑さの中を歩くの?今日こそ絶対に倒れるわ!」

トっちゃんのリハビリ恐るべし、耐えるしかありません。我慢、我慢。

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鵯越方面に進み、そこから送電線巡視路の急な登りでヒーヒー言わされました。ところで何処の送電線巡視路もそうですが何んであんなに急な道なのかね。クライミングと聞いたのでザックにはクライミングギヤー類、ロープも担ぎ、水も2.5リットルは入れてます。暑いし、虫はまとわりつくし、肩に食い込む重さにも思わず悪態をつく私でした。

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イヤガ谷東尾根に合流して一休み、

「暑いのう~、汗が止まらへん、もう堪らんわぁ~」

「トっちゃん、あんたがセットしたルートやんか!」

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イヤガ谷東尾根からの分岐点です。ここの木陰で一息つけました。やれやれもう一踏ん張りだ。

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中ノ壁の下降路には前ちゃんがセットした真新しいフィックスがありました。クラブで使った古い廃棄用ロープもここで有効再利用されています。

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太陽が山影に隠れるのを待ってクライミングを始めました。

気にはなっていましたが中ノ壁のブッシュ除去作業もここ何年はしていませんでした。

「ルートに木や草が茂ってスタンスもホールドも見えんがな、かなわんなぁ~」

近々にも整備作業をする事にしました。

これもアルパインクライミングやと言いながら楽しんでました。

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「ヨッシャ、もう一本登ったら今日は終わりにしようや」

その有り難いお言葉を待ってました。

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私がビレイ中に発作を起し手を離したら大変な事になります。今日は万が一に備えてビレイデバイスはオートストップの利くメガジュルを使っています。

「これで大丈夫や!安心して登ってくれ!」

使用するロープ径やクライミング内容でこの3種を使い分けています。

堡塁岩西稜で登攀中に心臓発作を起こして亡くなったクライマーも居ましたね。

こんな病み上がりにクライミングさせたり、テクテク歩きさせたり、トっちゃん、あんたは大した奴ですなぁ、別に深い意味は有りませんけどね。  ブツブツ・・・・・

本当に皆さんにはご心配をお掛けし、お見舞いのお言葉も多く頂戴し、感謝致しております。今のところはご覧の様に順調に回復しているようです。

体調を見ながら焦らず復帰を目指します。

有難う御座いました。

2017年5月16日 (火)

リハビリの日々(復帰を目指して)

5月合宿から帰った翌々日、5月7日(日)の23時頃の事でした。眠くなりリビングから自室へ戻ろうとした時、突然、胸にズッシンと痛みが走り、それが背中へ抜けた。痛みは両腕先にまで感じる激しさで私はその場にヘタリ込んでしまった。痛みに耐える私を見た家内は慌てて嫁いでいる元看護士の娘に電話したようです。娘も元プロですからこれは心筋梗塞、狭心症の症状だと判断して心臓循環器専門病院を探し出し状況を伝えたそうです。

時を置かず私は真夜中の病院へ運び込まれ心臓血管の専門医療チームによりテキパキとカテーテル挿入や血管拡張薬の投与などの緊急治療が施されました。健康診断でも何らの異常はなく健康面では圧倒的自信を持っていたのに、思いも寄らぬ6日間の入院生活を余儀なくされてしまいました。点滴やモニターなど多くの管や線を繋がれ身動きもならぬ我が身の惨めさ、心拍数を刻む電子音を聞きながら気力も完全に萎えていきました。

私とほぼ同時刻に搬送されてきた患者さんは隣りの集中治療室でしたが数時間後には顔に白いタオルが掛けられましたね。心臓病の緊急治療が一分一秒を争うものだと云うのを実感しました。

有り難い事に私の症状はバルーンやステントを使う程の重篤なものではなかったそうで治療は投薬と経過観察となるようです。しかし、心筋梗塞、狭心症の発作はいつ起こるか分かりません。血液検査でも心臓がダメージを受けた数値が出ています。今回はスパズム(血管の痙攣収縮)が起ったらしくて、冠状動脈の一部には狭窄があり動脈硬化もあって治療は長期化しそうな様相です。考えてみれば5月合宿の登山中に発症しなくて助かった、山中だったらそれも夜間だったら大事になるところでした。

これで遠征メンバーとして誘って頂いた来年のヒマラヤ登山も諦めざるを得ない状況となりました。計画を進める仲間には申し訳ないと云う気持ちで一杯です。我が人生で最後となったであろうヒマラヤは手の届かない遙か彼方へ夢と消えました。

5月12日退院する日、管理栄養士から食事制限に関する指導が行われましたが、殆んど右から左へ聞き流しでした。食べたい物を我慢するのが一番辛い、アルコールに関しては大酒は控えますと云う事で許可は出たがタバコは完全に止める事にしたのです。

やっと退院する事が出来ました。帰宅する途中で食った焼肉と生ビールが6日間に亘った味気ない病院食に耐えた我が胃袋に染み渡った。

止めるどころか家内も付き合ってジョッキで、

「カンパ~イ!」

馬鹿夫婦ですね。

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5月14日(日)クラブ雲峰の新会員を対象としたリードクライミングとリードビレイの研修会が神戸登山研修所で行われましたクラブ雲峰の次世代が行う講習をこの目で見たくて出掛けました。

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大谷、山下の両君の熱い指導が続き、参加者は熱心に聞き入っております。

トっちゃんと2人で後方から目を細めて眺めておりました。

「大谷君、バックアップのビレイでも何か手伝おうか?」

「結構です、ビレイ中にコロッと逝かれたら大変ですから・・・」

この日、私の出番はありませんでした。

やはり今の私は彼等から見れば、ただの老いぼれ病人なんですね。

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退院から4日目です。トっちゃんが私の復帰に向けてのリハビリメニューを用意したそうです。

「ザックのウェイトは5kg位にしとけ、その代わり水は2Lは持って来いよ」

私が行動中に摂取する水分量の少なさが今回の発症の誘因だと彼は指摘しているんです。

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リハビリとは修法ヶ原Pをスタート&ゴールとした周回コースを歩く事らしいです。

「これが君の言うリハビリかい!俺を殺す気かぁ、アカン、ブッ倒れる!ニトを用意しとかんと・・・」

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50年来の友情に感謝しつつ、涙してやって来たのに、トっちゃんは俺に止めを刺す気らしい。

修法ヶ原~分水嶺林道~森林植物園東門~桜谷~摩

耶山~天狗道~市ケ原~蛇谷~修法ヶ原

5時間のウォーキングでした。この日、無茶苦茶に調子が良かったんです。急登も楽々、足は軽い、息も上がらん、動悸も無く平地と変わらん、エンジンをオーバーホールした後みたいに快調なんです。キャブレターの詰まりを取ったから燃料がガンガンと流れたんかなぁ?次はゲレンデでクライミングをしてみよう、復帰に向けてマイペースでヒマラヤは夢と消えたが新たに目標を定め頑張りますわ。

«2017年5月合宿(立山連峰龍王岳)

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